2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオチドプールから酸化型ヌクレオチドを除去する機構と遺伝情報の維持
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16570149
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Research Institution | Biomolecular Engineering Research Institute |
Principal Investigator |
石橋 徹 技術研究組合生物分子工学研究所, 機能制御研究部, 主席研究員 (90369041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 理世子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10140865)
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Keywords | 酸化 / ヌクレオチド / NUDT5 / MutT / 8-オキソグアニン |
Research Abstract |
ヌクレオチドプールを浄化する機構の全貌を解明するため、MutTファミリータンパク質の基質特異性を中心に、大腸菌のMutT、ヒトのNUDT5、ヒトのMTH1について詳細な解析を行った。 1.MutTおよびMTH1の両者ともヌクレオシド二リン酸の段階で酸化型塩基をヌクレオチドプールから取り除いていることが明らかとなった.このことは、ヌクレオシド二リン酸の品質管理が、生物種を超えて重要な意味を持つことを示している.これを受けて、これらのタンパク質が、三リン酸を分解する場合にどのリン酸結合を切るのかを^<32>Pでα位を標識した8-oxo-GTPを用いて解析した.その結果、両酵素とも、α位とβ位の間のリン酸結合を切ることによって、直接ヌクレオシド一リン酸まで分解することが明らかとなった.8-オキソヌクレオシド二リン酸は再リン酸化されてDNAおよびRNA合成に使われるが、8-オキソヌクレオシド一リン酸は再リン酸化されないことを考えると、この分解様式の同定は生命のヌクレオチド浄化機構を考える上で重要である. 2.NUDT5に対する抗体を用いてNUDT5のマウスの臓器における発現を観察したところ、胸腺、脾臓、肝臓、心臓および肺において強く発現していることが明らかとなった.また、NUDT5は細胞質および核の両方でタンパク質複合体を形成していることが明らかになった. 3.大腸菌のMutTに体する抗体を用いた解析を行ったところ、MutTもタンパク質複合体として存在する可能性が高いことが明らかとなった.また、MutT破壊株の様々な酸化ストレス状態での自然突然変異頻度をリファンピシン耐性を指標に測定し、rpoB遺伝子のシークエンスデータを蓄積することによりミューテーションスペクトルの解析を行った. 4.NUDT5のノックアウトをマウスにおいて進めているが、マウスのES細胞においてヘテロの細胞を樹立することができた.
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