2004 Fiscal Year Annual Research Report
8種のサブユニットを持つ細胞質分子シャペロンCCTの細胞内機能の解析
Project/Area Number |
16570157
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保田 広志 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (80332724)
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Keywords | CCT / 分子シャペロン / フォールディング / RNAi / アクチン / チューブリン / 凝集体 / HSP60ファミリー |
Research Abstract |
細胞質シャペロニンCCTは、HSP60ファミリーに属する分子シャペロンであり、タンパク質のフォールディング(折りたたみ)を介助する分子である。CCTは、ヒトを初めとする全ての真核細胞に分布し、8種類ものサブユニットを介した非常に複雑で巧みなシャペロン機構を備えていると考えられている。そこで、本研究は、CCT複合体の細胞内における働きと、8種類のサブユニットの各々の機能を明らかにすることを目的とする。初めに、CCTの発現をノックダウンするため、ヒトCCTの各サブユニットをコードするmRNAに対し、siRNAを発現するベクターをそれぞれ5種類程度構築した。構築された鋳型DNAを、ヒト培養細胞にトランスフェクトし、ウエスタンブロット法により、標的CCTサブユニットタンパク質の減少を確認して、最も効果の大きかったものを選択した。このsiRNA発現ベクターとCCTによりフォールディングされる基質、具体的には、YFP-アクチン、GFP-チューブリンの発現ベクターを同時に細胞にトランスフェクションし、これらの標識タンパク質の挙動を蛍光顕微鏡で観察することにより影響を調べた。その結果、YFP-アクチン、GFP-チューブリンどちらの場合でも、CCTのノックダウンにより凝集体を形成しているのが観察された。対照として用いたGFPのみの場合はこのような像は観察されなかった。また、遠心分離による分画によっても、YFP-アクチン、GFP-チューブリンの凝集体形成の促進が確認された。したがって、アクチンやチューブリンの細胞内での分子成熟(フォールディング)に対しCCTが必須の機能を担っているものと考えられた。2年目においては、CCTのノックダウンが、endogenousなアクチン、チューブリン、その他のタンパク質の細胞内分子成熟に対しどのような影響をおよぼすのか調べて行きたい。
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Research Products
(6 results)