2005 Fiscal Year Annual Research Report
8種のサブユニットを持つ細胞質分子シャペロンCCTの細胞内機能の解析
Project/Area Number |
16570157
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保田 広志 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (80332724)
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Keywords | CCT / 分子シャペロン / フォールディング / RNAi / アクチン / チューブリン / 凝集体 / HSP60ファミリー |
Research Abstract |
細胞質シヤペロニンCCTは、HSP60ファミリーに属する分子シャペロンであり、タンパク質のフォールディング(折りたたみ)を介助する分子である。CCTは、ヒトを初めとする全ての真核細胞に分布し、8種類ものサブユニットを介した非常に複雑で巧みなシャペロン機構を備えていると考えられているが、その機能の詳細はあまり良くわかっていない。そこで、本研究は、CCT複合体の細胞内における働きと、8種類のサブユニットの各々の機能を明らかにすることを目的とする。前年度に、CCTをノックダウンできるSiRNAを発現するベクターを複数構築し、最も効果の大きかったものを選択した。さらに、YFP-アクチンやGFP-チューブリンの発現ベクターを同時に細胞にトランスフェクションすることにより、CCTのノックダウンがこれらの蛋白質の凝集体化を引き起こすことを見いだした。そこで、本年度は、まず、その時間経過を追って調べたところ、トランスフェクション後48時間ごろから凝集体の形成が開始され、72時間、98時間と時間を追うに従って凝集体が大きくなると同時に、細胞の形態が悪化し、細胞死を起こしているような像も観察された。また、fluorescence recovery after photobleaching(FRAP)法により、これらの蛍光タンパク質のダイナミクスを解析したところ、凝集体中のものは、ほとんど動かないことがわかった。以上の結果は、CCTがアクチンやチューブリンの生合成に必須の分子シャペロンであり、細胞内CCT量の低下は、これらのタンパク質の不可逆的な凝集を引き起こすと共に、細胞の生存にとって重篤なダメージを与えることを示したものである。
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Research Products
(4 results)