2005 Fiscal Year Annual Research Report
インテグリンおよび増殖因子受容体の複合体形成における糖鎖の役割
Project/Area Number |
16570160
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
顧 建国 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40260369)
|
Keywords | N-結合型糖鎖 / 糖転移酵素 / インテグリ / 増殖因子受容体 |
Research Abstract |
インテグリンが細胞増殖因子受容体との相互作用は、細胞の増殖・移動・生存などの生理的な過程のみならず、癌細胞の増殖・転移・浸潤など病理的な過程に重要な役割を担っている。一方、糖鎖は多くの膜蛋白質を修飾し、その機能を制御することが明らかになっているが、細胞膜上での分子間の複合体形成における役割に関してはほとんど不明である。その分子的基盤の解明は生理的な細胞内情報伝達システムや、またそのシステム破綻による癌化などの原因解明に不可欠である。本研究の目的は、インテグリンのアスパラギン型糖鎖に焦点を絞り、改変される糖鎖構造を持つインテグリンが細胞の増殖・接着・運動への影響と、それに共役した増殖因子受容体を介するシグナル伝達の変化の解析を通じて、インテグリン-増殖因子受容体の複合体形成に重要な糖鎖上のモジュールを明らかにすることにある。平成17年度では、我々が以下の3点を調べ、糖鎖の機能が明らかとなった。1)インテグリンα3サブユニットの機能制御にコアフコースが必要である。Fut8欠損細胞においては、インテグリンα3の機能が低下していたが、Fut8の再導入でα3の機能が回復された。2)部位特異的変異導入法を用いてインテグリンα5サブユニットに各アスパラギン型糖鎖の結合部位に点変異を導入して、細胞表面にインテグリンの発現量および細胞接着能の変化を調べた。その結果、糖鎖付加サイトの3,4,5番が重要であることが明らかとなった。3)コアフコース糖鎖付加は増殖因子受容体EGFRの機能発揮およびインテグリンとの複合体の形成にも重要である。
|
Research Products
(6 results)