2004 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異的発現を示すKruppel型転写因子の胚発生における役割
Project/Area Number |
16570170
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前野 貢 新潟大学, 理学部, 助教授 (10190315)
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Keywords | KLF / アフリカツメガエル / 形態形成 / 尾部 / オーガナイザー / 転写因子 |
Research Abstract |
本課題研究ては、アフリカツメガエル胚において組織特異的発現を示す2つのクリュッペルタイプの転写因子について、その生理学的役割を明らかにするための実験を行った。biklf(blood island-enriched Kruppel-like factor)は、原腸胚期にオーガナイザー領域を除いた予定外胚葉を中心に発現が限局していた。予定中胚葉全域に発現しているbrachyuryとの2重染色の結果からbiklfとbrachyuryの発現は予定腹側で隣接していた。野生型biklf RNAを強制発現させたところ異所的な尾部様構造が形成された。ドミナントネガティブタイプのbiklf(ショウジョウバエengrailedとの融合遺伝子を作製)RNAを導入した胚では尾部を含む後方構造の著しい欠損が観察された。またこの効果は野生型biklfの共注入により完全に回復したことから、biklfが胚軸の形成において後方中胚葉組織の分化に必須な因子であるという仮説が検証された。一方AP-2rep(activator protein-2 repressor)は原腸胚期にはオーガナイザーを含む予定背側組織に発現が局在していた。この因子を過剰発現またはドミナントネガティブAP-2rep(VP16 activator領域との融合遺伝子を作製)により内在性AP-2repの発現を抑制すると、原腸形成にともなう細胞の移動や収斂伸長の過程が阻害されることがわかった。このとき筋や神経分化マーカーの発現に影響を与えなかったことから、AP-2repの活性は細胞分化の過程の制御には無関係であることがわかった。AP-2repの活性は細胞分化の過程の制御には無関係であることがわかった。以上よりAP-2repは細胞の運動性や形態にかかわる転写因子であることが示された。
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Research Products
(1 results)