2004 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類目の自己治療行動-食物選択と民族生薬学文献の研究と共有データベース作成
Project/Area Number |
16570193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
HUFFMAN M・A 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (10335242)
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Keywords | 旧世界ザル / 植物性食物 / 生理活性 / 民族薬用植物利用 / データベース作成 / 原猿類 / 大型類人猿 / 新世界ザル |
Research Abstract |
アフリカ・アジアの大型類人猿(チンパンジー、オランウータン)、旧世界ザル(ニホンザル等)と原猿類(ワオキツネザル、ヴェローシファカ)の植物性食物の採食部位およびヒトの民間薬或は実際に有効な天然化合物として用いられている植物を網羅し、主要な霊長類の潜在的薬用植物のデータベース作成を行っている。 この研究は、霊長類の採食生態学的観点から、栄養成分とそれ以外の健康管理に役立つ薬理効果をもつ成分の存在の可能性を探ることを目標としている。作成されるデータベースに基づいて今後の研究対象とすべき霊長類と植物を明らかにし、霊長類における自己治療研究に必要な領野と重点的研究項目を明確にする。 本計画の一年目の成果として以下3点の実績を報告する。 1)申請者の霊長類における自己治療行動、民族生薬学等に関する研究グループによって1989年から2004年の間に出版された48件の学術論文、報告、総説等のPDF化、製本印刷とCDメデェア複写用のファイルを作成した。この論文集を、代表的な霊長類とみなされた各種を研究している世界各地の専門家に配り、今後の協力を呼びかける。 2)10月スリランカと台湾を訪問し、現地生息の野生霊長類を調査している研究者らとの情報交換、研究打ち合わせと講義を行った。今後の共同研究について方向性を話し合った。 3)採食食物データベース作成状況は以下のとおりまで植物種の入力が進んでいる(チンパンジー(N=869)、オランウータン(N=551)、ニホンザル(N=515)、シファカ(N=242件)、ホエザル(N=109)。各霊長類種の植物性食物リストデータベース入力が完成された。二年目では、対象種を増やし、ヒトの民間薬・生薬・天然化合物の情報収集を続ける。さらに、共同研究を発展させるため、関連分野の研究者らとの情報交換、研究打ち合わせと講義を行う予定である。
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