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2004 Fiscal Year Annual Research Report

韓国勒島出土人骨に関する形質人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 16570197
Research InstitutionNiigata Prefectural Museum of History

Principal Investigator

藤田 尚  財団法人新潟県文化振興財団, 歴史博物館・学芸課, 主任研究員 (40278007)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 茂原 信生  京都大学, 霊長類研究所, 所長 (20049208)
松井 章  奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター・遺物調査技術研究室, 室長 (20157225)
鈴木 隆雄  東京都老人総合研究所, 副所長 (30154545)
Keywords勒島遺跡 / 古人骨 / 形質人類学 / 古病理学 / 動物考古学
Research Abstract

今年度は、形質人類学的分析、動物考古学的分析、古病理学的分析について、それぞれ進展があった。研究代表者の藤田は、都合3回訪韓し、頭骨と下肢骨を中心に計測を行い、ほぼ全ての人骨についてデータを取得できた。解析に関してはこれからである。
古病理学的分析担当の鈴木は7月に訪韓し、24体について鑑察した。頭蓋眼窩上板におけるクリブラ・オルビタリアについてはいずれもポローティックタイプの軽度な症例であった。顎関節症OAについては、21頭蓋42側について観察可能であった。確実に骨多孔、変形を伴なうOAは1例であった。変形性脊椎症については、Nathanの分類によって分析を行った。観察しえた個体数は13体であり、そのうち6体には骨棘形成は求められなかった。7例には骨棘形成の出現があり、変形性脊椎症の存在を確認した。骨棘発達度については、I度が2例、II〜III度を示すものが5例であった。後者はいずれも熟年個体であった。脊椎分離症(下部腰椎)については13例について観察可能であった。本症の変異を示したものは1例における第5腰椎の両側性分離症のみであった。仙骨潜在性披裂については残存している仙骨6例について調査を行ったが、本症を認めるものは存在していなかった。骨膜・骨髄炎については下肢長骨を中心に観察を行なった。16体32側について分析した。1例にのみStother分類II〜III度の骨膜炎が両側大腿骨および脛骨に存在していた。本例は明らかに急性〜慢性化膿性骨膜炎を呈しており、炎症反応は進行中であり、恐らく敗血症による死亡例であったと推定される。肘および膝関節における変形性関節症(OA)については、明確な骨棘(骨縁堤)形成、関節面磨耗および骨多孔、全体の変形を主徴とする変化をOAとして観察した。観察個体数は10個体であったが、1例もOAと判定しえたものはなかった。
動物考古学的分析は、3月に松井によって行われた。(当科研費を取得する以前)動物骨を分析していたソウル大学の研究者と意見交換しながら、動物骨の整理・分析を進めている。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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