2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16570197
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
藤田 尚 新潟県立看護大学, 看護学部, 助教授 (40278007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂原 信生 京都大学, 霊長類研究所, 所長 (20049208)
松井 章 奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (20157225)
鈴木 隆雄 東京都老人総合研究所, 副所長 (30154545)
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Keywords | 勒島遺跡 / 古人骨 / 形質人類学 / 古病理学 / 動物考古学 |
Research Abstract |
本年は、研究代表者の藤田が、3回訪韓したほか、研究分担者の鈴木が1回、研究協力者の水嶋と橋本がそれぞれ2回訪韓し、調査研究を行った。藤田は、研究代表者として、全ての訪韓に同行した。 藤田は、報告書作成のため、主に頭蓋骨の計測を行い、全ての個体のデータを取得した。水嶋は、上肢骨・下肢骨の計測データを取得するため訪韓し、全ての個体のデータを取得した。橋本は、歯冠計測値の調査を行い、全てのデータを取得した。鈴木は、古病理学的調査、特に前年度調査した、結核と思われる症例について調査をしたが、全身所見は取得できていないので、次年度再度訪韓し、データの取得に努める予定である。 資料所蔵先の、慶南考古学研究所との約束で、いわゆる発掘調査報告書の提出を求められているため、18年2月に、報告書を提出し、現在翻訳編集中である。報告書を提出したことで、学会発表や論文投稿ができる状態になったので、次年度はなるべく多くの研究成果を挙げるつもりである。 本研究の眼目は、以下にあると考える。 1)日本の弥生時代人との頭蓋骨の形態の類似性、また異質性。 2)日本の弥生時代人との四肢骨の形態の類似性、また異質性。 3)古病理学的な疾病構造の特徴の把握。特に、結核については、日本へ朝鮮半島経由で入り込んだとされているので、本資料中の結核症例の詳細な検討と、その病態の把握。 4)動物骨については、どのような動物を食料としていたのか。また3)との関係上、結核があったとすれば、ヒト型結核なのか、牛型結核なのか、出土動物骨から判断していく。 5)歯科古病理学においては、日本の古人骨に見られる歯根面齲蝕が、同人骨群でも見られるかどうか、また齲歯率は日本の弥生時代人と比較してどうか。 いずれにしても、最終年度は、これらの疑問に答えるべく、研究成果を出していく予定である。
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