2005 Fiscal Year Annual Research Report
高温ストレスによるキクの開花遅延と花色変化の生理的解明
Project/Area Number |
16580018
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
深井 誠一 香川大学, 農学部, 教授 (80228858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 智博 香川大学, 農学部, 教授 (70221645)
高村 武二郎 香川大学, 農学部, 助教授 (40253257)
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Keywords | キク / 花色 / 高温 / 花芽発達 / SEM |
Research Abstract |
夏秋ギク型品種と秋ギク型品種の花芽分化・発達をSEMにより観察・比較した.高温条件下では開花遅延が見られないとされる夏秋ギク型品種においても秋ギク型品種と同様,小花分化の完了が遅れたが,分化完了時期に温度による差異はなかった.このことから,開花の遅延は花芽分化期より後の花芽発達期における高温の影響であると考えられた.また,高温下で小花数,特に筒状花の増加が認められた. 次に,高温下における筒状花の増加と秋ギク型品種の開花遅延の関係についての検討を行った.到花日数は積算温度が高い処理区ほど増加し,.筒状花数の増減は積算温度の高低ではなく,短日処理開始15-30日目の温度によって大きく変化した.さらに,小花数に及ぼす花芽分化期の温度の影響について検討し,短日処理開始後10-20日に30℃下に置かれると小花数が増加した.以上のことから,高温下での小花数の増加は,小花分化期という特定の期間に高温に遭遇することで生じる開花遅延とは独立した現象であると考えられた. アプリコット色花系品種および赤色を含む覆輪花品種における花色が作期および温度により変動する様相を明らかにするため,花色とアントシアニンおよびカロテノイドの量的変化について検討した.アプリコット色花系品種では高温時に黄色味が増し,低温時に赤味が増した.これは,高温下で花弁中の主要アントシアニン量が減少するが,カロテノイド量はあまり影響を受けないためであった.一方,覆輪花品種では温度により赤色部位の濃淡または覆輪割合の変動が見られた.これらの原因も2つの主要アントシアニン量の増減によるものであった.以上のことから温度によって主要アントシアニン量が変化することがピンク色花の花色および覆輪の発現の主要な要因であることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)