2005 Fiscal Year Annual Research Report
テッポウユリの自家不和合性消失の遺伝・生理機構および自家和合性成立の進化的背景
Project/Area Number |
16580021
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
比良松 道一 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (30264104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若菜 章 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10158579)
大久保 敬 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80150506)
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Keywords | テッポウユリ / 自家和合・不和合 |
Research Abstract |
テッポウユリは長年にわたって自家不和合性を示すと考えられてきたが,筆者らが行った自生集団の集団遺伝学的分析は,テッポウユリにおいて,自家和合・不和合性に関する種内変異がある可能性を示唆している.本研究では,分布地域をほぼ網羅するよう選抜したテッポウユリ17集団およびテッポウユリ近縁種であるタカサゴユリ3集団の自然交雑種子より育成した実験実生集団を用いた種子生産調査,自家花粉管伸長観察,花器形態調査,AFLP解析を行い,テッポウユリにおける自家和合・不和合性の発現様式,地理的分布および成立背景について以下のことを明らかにした. 1)分布域の北部(黒島,屋久島,喜界島,奄美大島)および南部(蘭嶼島)に自家和合性個体が優占的な集団が存在する. 2)テッポウユリの自家不和合性反応は量的である. 3)テッポウユリの自家不和合性反応は,花柱内だけでなく,子房内でも起こっている可能性がある. 4)分布域北部の自家和合性優占集団では花柱長,雄蕊長,および花粉量の減少が生じており,それは,これらの集団が自殖性へシフトしている事実と密接な関連があると考えられる. 5)分布域の北部と南部に存在する自家和合性優占集団は,異所的に成立した別系統である. 6)蘭嶼島集団の個体はテッポウユリからタカサゴユリへの分化過程における中間型と考えられる.
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