2004 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫培養細胞が分泌する機能性タンパク質に関する研究
Project/Area Number |
16580037
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
平岡 毅 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (10238339)
|
Keywords | 昆虫培養細胞 / 分泌タンパク質 |
Research Abstract |
鱗翅目昆虫培養細胞系であるMaBrを使用した低分子成長因子の解析において、脂肪体由来細胞においてEGF様昆虫サイトカインとして分類されるgrowth blocking peptide (GBP)の発現を指摘したが、血球由来細胞においても同様にGBPの発現があることをRT-PCRによって明らかとした。GBPのタンパク質レベルでの培養細胞系における作用については不明な点が多く、抗体を利用した検出を試みたが量的な問題もあり成功しなかった。大量培養系の検討が必要となり、スピナーフラスコによる培養、チューブによる垂直面回転培養、平面上での三角フラスコを用いた回転培養等が試され、チューブによる垂直面回転培養において細胞数の安定的な増加が見られた。大量培養上清を用いた解析を続けたい。ヒトスジシマカ培養細胞AeAl-2ではアセチルコリンエステラーゼが特異的に分泌されるが、有血清培地を用いた培養にくらべ、無血清培地を用いた培養は分泌量が大きかった。また活性染色によりクラスター状になった細胞に高いアセチルコリンエステラーゼ活性が認められ、細胞の集合と酵素活性の関連が示唆された。この培養細胞は付着性が強く、大量培養が困難なため、平面培養で大量に培養し、培養上清より酵素の精製を試みた。DEAEカラム、アフィニティーカラム、ゲルろ過カラム等により、分子量約67000のSDS-PAGEで単一のバンドを得た。N末端からのアミノ酸配列を解析中である。
|