Research Abstract |
ハウス栽培マンゴー(品種アーウィン)の開花調査,花粉稔性試験,ニホンミツバチの導入による花粉の付着について調査した.マンゴーの開花調査では,小花は4月16日から開花し,5月12日に開花が終了した.雄花は開花後期に,両性花は開花前期と後期に認められた.花粉稔性試験では,平均気温が20℃以上で花粉の発芽が認められた.ニホンミツバチが訪花した両性花の花粉付着率は,4月30日,5月1日,5月5日の3日間の調査花数(n=570)中43%で,花房の先端部の付着率が高まる傾向が見られた. ハウス栽培パッションフルーツ(品種サマークイーン)にニホンミツバチ選抜群を導入した結果,ニホンミツバチ区36.4%,人工受粉区40.4%と同程度の結果率が得られた.パッションフルーツの3本の柱頭が葯の方に湾曲する接近型の時間帯に,働き蜂を出巣させるための自動巣門開閉装置付巣箱を用いた.今回はセイヨウミツバチを導入し受粉効果を比較した.その結果,セイヨウミツバチ区30.7%,人工受粉区39.6%を示した.ミツバチ導入区は,人工受粉区に比較して結果率が低くなる傾向が確認された.果実階級では,人工受粉では,L果実が全体の41.6%を占めたが,セイヨウミツバチ区は2S果実が最も多く,ニホンミツバチの場合も同様の傾向を示した.しかし,果実品質の糖度,酸度,果肉歩合,果皮色で人工受粉区との差は見られなかった. ブルーベリーについては,ニホンミツバチ,セイヨウミツバチ共に晴天の訪花は活発であるが,ニホンミツバチは悪天時にもよく活動することが再度確認された.ニホンミツバチはセイヨウミツバチより小型であるため,小花へ訪花時間は約1.5倍長かったが,小花への移動率が低いことが示された.悪天時におけるニホンミツバチの活動性は,天候の不安定な春季に開花するブルーベリーにとって,非常に重要な花粉媒介昆虫であることが示唆された.
|