2004 Fiscal Year Annual Research Report
砂丘農地における硝酸性窒素の環境負荷の実態解明と軽減対策
Project/Area Number |
16580043
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山本 定博 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助教授 (30200801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本名 俊正 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 教授 (90093624)
井上 光弘 国立大学法人鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (90032309)
山田 智 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助手 (80294346)
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Keywords | 硝酸性窒素 / 地下水汚染 / 砂丘農地 / モノリスライシメータ / 不攪乱土壌 / フラックスメータ / ハイドロタルサイト様鉱物 / ジオスタティステクス |
Research Abstract |
砂丘農業地帯で問題化している硝酸性窒素による地下水汚染の防止対策をたてるために,16年度は鳥取県部の砂丘ラッキョウ畑において種々の基礎的な検討を行い,以下の結果を得た. 1.圃場からの硝酸性窒素の流亡実態を明らかにするために不攪乱土壌を充填したモノリスライシメータでラッキョウを栽培し,硝酸性窒素の流亡量と時期を検討した.その結果,元肥施与窒素の約50%が栽培開始後1ヶ月間で流亡し,全流亡量の約70%に相当したが,元肥を根の伸長が始まる時期に合わせて遅延施用することで,ラッキョウの生育を維持したまま,初期の硝酸流亡を大きく抑制することができた.すなわち,ラッキョウの根域の発達が不十分な時期の窒素流亡率が高く,生育初期の窒素吸収効率改善が効果的な対策になることを明らかにした.一方,多量のリン酸流亡も明らかになり,その流亡ピークは硝酸より遅く,栽培開始後3ヶ月目に認められた. 2.土壌の硝酸保持能を改善する資材としてハイドロタルサイト様鉱物(以下HT)を検討した.効率的なHT合成条件を見いだし,ポット栽培試験において硝酸流亡抑制効果を確認した. 3.農耕地から地下水への硝酸性窒素の負荷の実態を専用のモニタリング井戸(深さ12m,不透水層上面の浅地下水)により時間単位で周年調査した結果,砂丘地の地下水は降水や施肥の影響を極めて受けやすいことをらかにした. 4.硝酸の下方浸透を定量的に解析するために,根群域から下方への浸透水量を正確に測定できるフラックスメータを開発した.室内実験での検討であるが,87-114%と100%に近い高い採水効率を得た. 5.約100haに及ぶラッキョウ圃場の表層土を数10m間隔で採取し(約800点),ジオスタティスティクスにより土壌特の空間変動解析を行い,土壌特性値地図を作成した.土壌特性はラッキョウの生産性に密接に関係し,高収量区土壌は有機物,粘土含量が多く高い養分保持能を有していた.
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[Journal Article] Application of an Automated Infiltration Soil Water Sampler in Variably Saturated Sandy Soil2004
Author(s)
Higashi, N., Inoue, M., Mori, Y.
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Journal Title
Annual Meetings of American Society of Agronomy, Crop Science Society of America, Soil Science Society of America, Agronomy Abstracts (Seattle, WA, USA)
Pages: 2509