2004 Fiscal Year Annual Research Report
微生物ホルモンおよびリン酸飢餓による黄色色素生合成遺伝子群の発現制御機構の解明
Project/Area Number |
16580053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 康夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90292789)
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Keywords | 放線菌 / 遺伝子発現制御 / 二次代謝 / A-ファクター / リン酸飢餓 / Streptomyces griseus / グリキサゾン / 微生物ホルモン |
Research Abstract |
放線菌Streptomyces griseusの二次代謝・形態分化は微生物ホルモンA-ファクターによって誘導される。黄色色素(グリキサゾン)はA-ファクターによって生産誘導される二次代謝産物の一つであるが、その生産は低リン酸培地でのみ観察される。A-ファクターおよびリン酸飢餓シグナルがいかにしてグリキサゾン生合成遺伝子群の発現を誘導するかを分子レベルで明らかにすることが本研究の目的である。これまでの研究により、A-ファクターおよびリン酸飢餓シグナルはグリキサゾン生合成遺伝子群中の制御遺伝子griRの転写活性化を引き起こすこと、およびGriRは他のグリキサゾン生合成遺伝子群の転写を活性化することが示唆されていた。本年度の研究においては、GriRを大腸菌で生産させることに成功し、GriRがgriCおよびgriJプロモーターに直接結合することをin vitroで示した。一方、以前取得していたグリキサゾン非生産変異株(M31株)の変異点が、グリキサゾン生合成遺伝子群とは全くかけ離れた遺伝子座に存在するDNA結合蛋白をコードする遺伝子であることを明らかにした。M31株ではGriRが存在してもgriCおよびgriJプロモーターからの転写が観察されないことから、グリキサゾン生合成遺伝子群は予想以上に複雑な発現制御を受けていることが明らかになった。一方、新たに行った変異株取得実験により、griRの転写を活性化するアクチベーター蛋白の存在が強く示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Structures of grixazone A and B, A-factor-dependent yellow pigments produced under phosphate depletion by Streptomyces griseus2004
Author(s)
Ohnishi, Y., Furusho, Y., Higashi, T., Chun, H.-K., Furihata, K., Sakuda, S., Horinouchi, S.
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Journal Title
Journal of Antibiotics 57・3
Pages: 218-223