2006 Fiscal Year Annual Research Report
リグニンの有用物質変換に必要なプロトカテク酸メタ開裂系遺伝子群の転写制御
Project/Area Number |
16580055
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
政井 英司 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20272867)
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Keywords | リグニン由来化合物 / プロトカテク酸4,5-開裂経路 / Sphingomonas / 転写制御 / LysR型転写制御因子 |
Research Abstract |
Sphingomonas paucimobilis SYK-6株のプロトカテク酸(PCA)4,5-開裂経路は、リグニン由来化合物代謝系の下流経路として重要な役割をもつ。本経路を構成する遺伝子群の転写調節機構の解明は、芳香族化合物の主要経路の全体像を明らかにするだけでなく、リグニンからの有用代謝中間体の生産において重要な情報を提供するものと考えられる。昨年度までの研究により、PCA4,5-開裂系酵素遺伝子群は、ligJABCオペロン、ligK-orf1-ligI-lasdAオペロンとLysR型転写制御因子をコードするligRから構成され、ligJオペロンとligKオペロンの転写がPCAの存在下、LigRによって正に調節されていることが明らかとなった。 本年度は、初めにPCAの存在下で誘導されるligKオペロン及びligJオペロンのプロモーター領域をデリーション解析により限定した。その結果、ligK上流213bpを含むDNA断片及びligJ上流687bpから1,076bpを含む断片にPCA存在下で誘導されるプロモーターが存在することが示された。大腸菌においてHis-tag融合ligRを発現させ、得られた精製LigRの各プロモーター領域への結合性をゲルシフト解析により調べた。その結果、LigRはligK及びligJプロモーター領域に存在するLysR型転写制御因子の結合配列であるT-N_<11>-Aモチーフを特異的に認識して結合することが明らかとなった。また、PCAの存在下において異なるシフトパターンが見られたことから、PCAがLigRのエフェクターであることが強く示唆された。
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