2005 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌CCAAT-box結合因子複合体のアセンブリおよびソーティング機構の解明
Project/Area Number |
16580057
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 雅士 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (70242849)
|
Keywords | 糸状菌 / 麹菌 / CCAAT / Hap / アセンブリ / 核移行 / ソーティング / NF-Y |
Research Abstract |
糸状菌の転写因子の一つ、CCAAT-box結合因子は真核生物に広く保存されており、3つのサブユニットHapB,C,Eからなる。我々は昨年度の研究で3量体が形成されて初めて全サブユニットが核内移行することを他の真核生物に先駆けて明らかにすることができた。本年度は以下のポイントに絞り研究を遂行した。 1)麹菌HapB内に存在する核移行シグナルの同定: GFP-HapBをコードする遺伝子に関して部分欠失変異を作成しΔhapB株に導入後、蛍光顕微鏡によりGFPの蛍光を観察することにより変異GFP-HapBの細胞内局在性を調べた。その結果、真核生物に高度に保存された中央領域とC末端側の非保存領域にそれぞれ少なくとも一つずつの核移行シグナルが存在することが示唆され、コンピュータプログラムPSORTIIによる核移行シグナルの推定結果(中央領域に一つ、C末領域に一つ)と一致していた。部位特異的変異の導入により、それぞれの核移行シグナルを破壊したところ、両方の核移行シグナルが機能しており、同時に破壊すると核移行能が完全に消失することが明らかとなった。 2)HapCとHapEのヘテロ2量体形成によるHapEの分解抑制機構の解析: HapEの分解過程およびHapCとの2量体形成に伴う安定化機構をin vitroで明らかにすることを目的とし、^<35>Sで標識したサブユニットをin vitro合成し解析に利用した。解析の過程でHapEはそれ自身で不溶化しやすい性質があることが見出された。この不溶化がHapCをin vitro翻訳前に添加することにより顕著に抑えられること、翻訳後の添加では効果が見られないこと、両サブユニットはヒストンフォールドモチーフを介したヘテロ2量体を形成することから、HapCがHapEに対して特異的なシャペロン様の働きをし、HapEの不溶化を防いでいることが示唆された。
|
Research Products
(5 results)