2006 Fiscal Year Annual Research Report
含硫有機化合物の代謝に関与する酵素について-蛋白質工学的改変と新規機能の検索-
Project/Area Number |
16580058
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 講師 (00233106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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Keywords | Microbial desulfurization / Desulfinase / Dibenzothiophene |
Research Abstract |
常温性脱硫細菌であるRhodococcus erythropolis由来の脱硫酵素2'-ヒドロキシビフェニル 2-スルフィン酸デスルフィナーゼ(DszB)の立体構造および、基質2-ヒドロキシビフェニル 2-スルフィン酸(HBPsi)との酵素-基質複合体の立体構造を明らかにした。これはジベンゾチォフェン脱硫に関与する酵素としては、初めての高次構造を解析した成果である。本酵素はHBPSiから亜硫酸を放出させ、2-ヒドロキシビフェニルへと変換させる酵素である。本酵素は、基質であるHBPSiを取り込むことにより、構造が変化し、酵素タンパク質の表面に位置していたHis60が活性部位近傍へと移動し、Cys27、Arg70とともに活性中心を形成することが明らかになった。この立体配置はセリンプロテアーゼの活性中心と類似している。しかしながら、His60をGlnへと置換した変異酵素も活性を保持していたことから、His60以外の残基を利用した電子の授受も成立している可能性が示唆された。今回明らかにした立体構造を基に、好熱性脱硫細菌由来で同じ反応を触媒するBdsB、TdsBとDszBの活性中心付近のアミノ酸残基を比較したところ、DszBのGln65が、BdsB、TdsBではHisになっていることがわかった。そこで、変異酵素DszB(Q65H)をコードする遺伝子を構築し、その特性を検討したところ、至適反応温度および熱安定性が大幅に上昇していることが判明した。すなわち、わずか一つのアミノ酸の変化により酵素の特性を変化させることができた。さらにGln65をその他のアミノ酸へと置換した変異酵素も発現させてその特性を検討したが、Q65Hを上回る性質を有する酵素を見出すことはできなかった。
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Research Products
(1 results)