2005 Fiscal Year Annual Research Report
酢酸菌キノプロテイン・グリセロール脱水素酵素と5-ケトグルコン酸生成
Project/Area Number |
16580061
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松下 一信 山口大学, 農学部, 教授 (50107736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 博英 山口大学, 農学部, 助教授 (60240884)
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Keywords | キノプロテイン / グリセロール脱水素酵素 / 5-ケトグルコン酸 / ピロロキノリンキノン / Gluconobacter属酢酸菌 |
Research Abstract |
Gluconobacter属酢酸菌のキノプロテイン・グリセロール脱水素酵素(GLDH)は、広範な糖アルコールの酸化に加えてグルコン酸を5-ケトグルコン酸(5KGA)に酸化する能力がある。本研究では、GLDHの特異な基質認識部位と金属イオンと関連したPQQ結合部位及びその結合様式を解明するとともに、産業上重要な5KGAの高生産株の遺伝子工学的作成をめざしている。 (1)PQQおよびメタル結合様式の解析:本酵素は2量体で機能しており、両者の触媒部位にPQQとCa^<2+>もしくはMg^2が結合していること、Mg^2は触媒部位以外に本酵素の2量体の結合にも関与していることが推定された。(2)GLDH触媒部位の解析:本酵素は、酸性とアルカリ両pH領域で酵素活性を示すが、他の基質と違いグルコン酸に対する活性は両pHで大きな違いが見られる。この原因が、グルコン酸の両pHでの酸-ラクトン構造の違いによることが明らかになった。また、アルカリ側の活性を持たないGLDHをもつ酢酸菌株も見つかり,今後それらの比較検討の必要性が生じている。(3)5KGAの高生産株の作成:2株の酢酸菌で2-ケトグルコン酸(2KGA)生成酵素の遺伝子破壊株の作成に成功した。1株は5KGAの単独生産株となったが、もう1株は別の2KGA生成酵素が存在するため、単独生産株とはならなかった。得られた5KGA単独生産株についてはさらなる高生産能を得るための検討をすすめている。(4)GLDHのX線構造:解析およびGLDH触媒部位の改変:本酵素のX線構造解析については、種々の方法,界面活性剤を用いて検討を進めているが、未だに有効な結晶が得られておらず、引き続き結晶化を試みている。また、触媒部位の改変に関しては、やっと大腸菌発現系が確立され、エラープローンPCRによる変異体遺伝子の取得が始まったところである。
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Research Products
(2 results)