2004 Fiscal Year Annual Research Report
古細菌の極性脂質生合成系から見た古細菌と真正細菌の進化学的研究
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16580067
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
古賀 洋介 産業医科大学, 医学部, 教授 (70012458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 宏幸 産業医科大学, 医学部, 助教授 (60141743)
藤 博幸 京都大学, 化学研究所, 研究員(科学技術振興・常勤形態) (70192656)
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Keywords | 古細菌 / リン脂質 / 糖脂質 / inositol-1-phosphate synthase / diglucosyl archaeol synthase / monoglucosyl archaeol synthase / 配列検索 / 系統樹 |
Research Abstract |
1.Methanothermobacter thermautotrophicusの無細胞抽出液による極性脂質の生合成実験: (1)イノシトールリン脂質合成の出発材料であるmyo-inositol-1-Pをglucose-6-Pから合成する活性をNalO_4法で検出し、その生成物の立体構造を決定した。TMS化およびメチル化したD型myo-inosltol-1-PとL型myo-inositol-1-Pを区別できるキラルカラムを用いたGLCで、酵素反応生成物はL型myo-inositol-1-Pであった。このことから、古細菌におけるイノシトールリン脂質生合成酵素の基質としてCDP-myo-inositolが関与する可能性は低くなり、CDP-archaeolとL-myo-inositol-1-Pかmyo-inositolが反応する可能性が高くなった。しかし、多数の試みにも関わらず、古細菌でイノシトールリン脂質を合成するin vitroの活性を検出するに至っていない。 (2)飽和または不飽和archaeolとUDP-glucoseから本菌のジエーテル型糖脂質であるdiglucosyl archaeolとその生合成中間体と思われるmonoglucosyl archaeolを合成する活性を見いだした。この活性はarchaetidylinositolの存在によって著しく強くなった。反応機構の詳細は検討中である。 2.古細菌極性脂質生合成酵素の系統解析: 古細菌ゲノムに対するBLASTサーチにより、グリセロールリン脂質、イノシトールリン脂質の合成酵素の存在を示唆するデータを得た。これらは古細菌で未だ活性が確認されていないものである。これらの配列検索と系統解析に加えて、脂質部品分析の結果を総合してそれぞれの反応に関わると予想される遺伝子を区別することができた。エタノールアミン脂質合成酵素はセリン脂質合成酵素と共存し、ゲノム上で隣接してコードされ、セットとして進化してきたと推測された。
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Research Products
(2 results)