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2005 Fiscal Year Annual Research Report

脳を守る環境条件を探る動物モデルの確立

Research Project

Project/Area Number 16580075
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

福岡 伸一  青山学院大学, 理工学部, 教授 (20183923)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 柴田 克己  滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40131479)
Keywords遺伝子 / 栄養学 / 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患
Research Abstract

キノリン酸仮説の観点からハンチントン病(HD)の病態を明らかにする目的で、HDトランスジェニックマウス(以下、HDマウスと略す)を用い、HDにおける脳内QAレベル上昇メカニズムを分子生物学的手法で検討するとともに、QAによる神経脱落の作用機序を電気生理学的手法を用いて検討した。
まず、HDマウスの大脳皮質、小脳、線条体および海馬におけるTrp代謝関連酵素の遺伝子発現変化をリアルタイムPCR法により解析した結果、HDマウスのいずれの部位においてもQPRTおよびACMSDの発現量が正常マウスにおける発現量と同等あるいは低い値を示した。従って、HDマウス脳内では、QAレベルが上昇している可能性が示唆された。
次に、パッチクランプ法による電気生理学的解析を、大脳皮質帯状回の神経細胞に対して行った。その結果、QAによる神経細胞の興奮は、QA濃度依存的に増加した。また、AP-5(NMDARアンタゴニスト)とifenprodil(NMDAR NR2Bサブタイプ特異的アンタゴニスト)添加により、QA由来の神経興奮が抑制された。また、AP-5存在下で、QAおよびNMDAのNMDARに対する親和性を調べた結果、QAに対して親和性の異なる細胞種が確認された。一方、これらの細胞種のNMDAに対する親和性に差はみられなかった。また、QAに対する親和性の違いを検討した結果、QAはNR2Bに対する反応性が高く、NMDAはNR2Aに対する反応性が高いことが明らかになった。
以上の結果から、HDでは、脳内Trp代謝に異常が生じ、その結果脳内QAレベルの上昇を引き起こし、線条体に強く発現するNMDAR NR2Bサブタイプを標的分子として、QAが選択的な神経脱落を引き起こすという病態モデルを提示した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Book (1 results)

  • [Book] プリオン説はほんとうか? タンパク質病原体説をめぐるミステリー2005

    • Author(s)
      福岡 伸一
    • Total Pages
      246
    • Publisher
      講談社

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2012-10-03  

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