2006 Fiscal Year Annual Research Report
シトクロムと酵素遺伝子導入による二酸化炭素と二酸化窒素の同時資化増強植物の創製
Project/Area Number |
16580077
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
奥 忠武 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20059637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 俊幸 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (10256836)
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Keywords | シロイヌナズナ / シトクロム / 二酸化窒素 / 還元酵素 |
Research Abstract |
平成18年度 研究実験概要 本年度は、3年間の最終年度であるので、次の2項目について検討を行った。 1.植物シロイヌナズナへのシトクロム遺伝子導入による炭酸同化能の検討 陸上植物に水中生物のシトクロム遺伝子を導入し、染色体経由で葉緑体にシトクロムタンパクを発現させることに成功し、そのタンパクレベルでの確認をした。同時に、この形質転換体は、電子伝達上昇の証であるATPとNADPHの生成量が増加しており、さらに代謝産物であるデンプン、クロロフィル量なども増加していた。即ち、本遺伝子の導入により光合成明反応が促進され、CO_2同化による資化に成功し、本テーマの第一目標を達成することができた。 2.ラン藻からのNO_2還元酵素遺伝子のクローニング (1)NO_2還元酵素の活性が高いと言われているラン藻について、数種の活性を調べて高いものを選び、EST・データベースからプライマーを作製し、遺伝子のつり上げを数回行ったが、なかなか難しく、現在それをPCRで増幅後、塩基配列を解析中である。 (2)(1)が確認されれば、植物に上記1のシトクロム遺伝子と本NO_2還元酵素遺伝子との両方を導入し、CO_2同化に加えてCO_2同化の実験を進めていく計画である。 総括:CO_2同化は当初の狙い通り、野生型より30%も高めることができたが、NO_2還元酵素は遺伝子のつり上げが極めて難しく、二重遺伝子導入実験までは進められなかったが、実験は継続する。しかし、大きな成果を上げることができたと考えている。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Crystal structure of oxidized cytochrome c(6A)from Arabidopsis thaliana2006
Author(s)
Chida H., Yokoyama T., Kawai F., Nakazawa A., Akazaki H., Takayama Y., Hirano T., Suruga K., Satoh T., Yamada S., Kawachi R., Unzai S., Park SY., Oku T.
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Journal Title
FEBS Letters 580(15)
Pages: 3763-3768