2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラクトース転移および縮合活性を有するセルラーゼのタンパク工学的改変
Project/Area Number |
16580081
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
戸谷 一英 一関工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (40369913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 崇 一関工業高等専門学校, 助手 (90300516)
村田 健臣 静岡大学, 農学部・応用生物化学科, 助教授 (30273171)
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Keywords | セルラーゼ / ラクトース / N-アセチルラクトサミン / 縮合 / 糖転移 / エンドグルカナーゼ / Trichoderma reesei |
Research Abstract |
【目的】Trichoderma reesei由来のセルラーゼ粗酵素中に、p-ニトロフェニルβ-ラクトシド(Lacβ-pNP)あるいはラクトサミニド(LacNAcβ-pNP)を二糖単位で水解し、ラクトース(Lac)あるいはN-アセチルラクトサミン(LacNAc)を、アルコール性OH基を有するアグリコンへ直接転移する活性が存在する。本酵素は縮合反応も触媒するが、酵素本体は特定されていない。今回、酵素本体の精製と同定、遺伝子クローニングを目的とした。【方法】T.reesei由来の粗酵素をイオン交換カラムなどで精製し、Lacβ-pNP及びLacNAcβ-pNP水解活性、Lac縮合活性の精製を試みた。Lacβ-pNP及びLacNAcβ-pNPは酵素合成した。アグリコンはヘキサンジオールとし、TLC、HPLC、NMRで縮合生成物を同定した。T.viride及びAsperigillus nigarの産生する粗酵素製剤中の同活性の検出も試みた。【結果】(1)T.reesei由来の市販の酵素製剤(粗酵素)を硫安塩析後、Lacβ-pNP水解活性を指標にHiTrap DEAE FFカラムで二つの活性ピーク(FI、FII)に分離した。FIにLacβ-pNP及びLacNAcβ-pNP水解活性、Lac転移・縮合活性が集約された。FIをさらにUNO-Q1カラムにてFI-1と主要なFI-2に分離した。FI-2にはLac遊離及び縮合活性と、エンド型セルラーゼ(EG)に特徴的なCMC水解活性が存在した。Lac縮合の比活性は粗酵素からFI-2まで約100倍上昇した。SDS-PAGEなどにより、FI-2はMW54KDa、p14.8付近であり、EGIを含むことが示唆された。FI-2をさらにMonoPカラムで分離したところ複数の活性ピークを検出した。(2)T.reesei QM9414株を1% Avicel含有マンデル培地にて培養し、上清を同様に精製したところ、上記と同様な活性パターンが得られた。T.reesei QM9414株の菌糸体からRNAを抽出し逆転写酵素によりcDNAを得た。EGI、EGIIのN末及びC末端に含まれる塩基配列よりプライマーを設計した。PCR実施予定。(3)T.viride粗酵素中にT.reeseiと同様の二糖縮合活性が存在したが、A.nigar中には認められなかった。
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Research Products
(3 results)