2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラクトース転移および縮合活性を有するセルラーゼのタンパク工学的改変
Project/Area Number |
16580081
|
Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
戸谷 一英 一関工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (40369913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 崇 一関工業高等専門学校, 助手 (90300516)
村田 健臣 静岡大学, 農学部・応用生物化学科, 助教授 (30273171)
|
Keywords | セルラーゼ / ラクトース / N-アセチルラクトサミン / 縮合 / 糖転移 / エンドグルカナーゼ / Trichoderma reesei |
Research Abstract |
セルロース分解糸状菌として知られるTrichoderma reeseiの産生するセルラーゼ中に、糖脂質や糖タンパク質の基本二糖単位であるラクトース(Lac)やN-アセチルラクトサミン(LacNAc)をアルコール性OH基に転移・縮合する酵素を見出した。本酵素はインフルエンザウイルス阻害剤として応用可能な人工糖脂質や人工糖タンパク質の酵素合成を可能にした。本研究の目的は、縮合酵素の精製と同定、酵素遺伝子のクローニングと大腸菌での発現である。 (1)酵素の精製および同定:T.reesei由来の粗酵素を硫安塩析後、陰イオン交換クロマト(UNO-Q1)および等電点クロマト(MonoP)で精製した。二糖遊離活性は酵素合成した二糖配糖体(Lacβ-pNPおよびLacNAcβ-pNP)を基質として、縮合活性はラクトースと1,6-ヘキサンジオールの縮合生成物のHPLCにより測定した。UNO-Q1後の精製酵素(FI-2)はLacβ-pNP、LacNAcβ-pNP、および、CMCを加水分解し、ラクトース縮合の比活性は粗酵素から数十倍上昇した。本画分はMW54kDa、pI4.8付近でアビセルを分解しないことからエンド型のEGIと推測されたが、MonoPでさらに複数のピークに分離した。長岡技科大生物系の岡田弘文助教授の協力によりT.reeseiのEGIおよびEGIIを異種宿主(A.oryzaeおよびS.pombe)で発現した組換え体rEGIおよびrEGIIの二糖遊離および縮合活性について検討を行なった。 (2)cDNAのクローニングと大腸菌での発現:T.reeseiQM9414株の菌糸体よりmRNAを抽出した。EGIおよびEGIIのNおよびC末端塩基配列(GenBank)に対するプライマーによるRT-PCR法によりEGIのcDNAに相当する1,400bp付近にバンドが検出された。cDNAを抽出後、各種制限酵素による切断パターン、全長の塩基配列を検討中である。また、Hind IIIおよびNde I切断部位を付加したプライマーにより増幅したEGI cDNAを発現ベクター(pET-3a)に組込み高発現株をスクリーニング中である。
|
Research Products
(1 results)