2004 Fiscal Year Annual Research Report
きのこからの炎症仰制作用を指標とした保健機能物質の開発
Project/Area Number |
16580085
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
廣田 満 信州大学, 農学部, 教授 (90199133)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加茂 綱嗣 信州大学, 農学部, 助教授 (60345759)
|
Keywords | 炎症抑制 / きのこ / TPA / Sarcodon scabrosus |
Research Abstract |
きのこは保健薬のモデル化合物及び機能性食品素材として有望な資源である。 イボタケ科のきのこケロウジ(Sarcodon scabrosus)はTPAによって惹起される炎症を強く抑制する成分sarcodoninを含む。このきのこの子実体より関連化合物の探索を行ない,Sarcodonin Aの脂肪酸エステルを低極性分画から単離した。この炎症抑制活性は元のsarcodonin Aと比べると,19位水酸基にリノール酸オレイン酸がエステル結合した化合物では炎症抑制活性が低下する傾向が見られた。脂肪酸の長さを変えたsarcodonin A脂肪酸エステルを合成し,その活性を検定した。合成した化合物の中で炭素数8の脂肪酸とのエステルが元のsarcodonin Aと同程度の強さの活性を示した。この構造と活性との関係については検討中である。さらに,Sarcodonin AをSBHで還元し,アルデヒドをアルコールに変換した。これを接触水素還元したところ,1級アルコールがメチル基に変換された化合物,共役2重結合が還元された化合物が得られた。今後反応收率の改善をおこない,多量の化合物を得て炎症抑制活性の検定を行う予定である。 強い炎症抑制作用を示したオオキツネタケ(Laccaria bicolor)より既知成分であるlaccarinを単離した。この化合物は炎症抑制作用そのものはそれ程強くなかったが,窒素を分子内に持つ炎症抑制物質の単離は当研究室で初めてであった。今後ケロウジ以外のきのこについても活性成分の検討を行う計画である。
|
Research Products
(1 results)