2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポリシアロガングリオシド合成法の再構築と神経機能改善への応用
Project/Area Number |
16580086
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石田 秀治 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20203002)
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Keywords | ガングリオシド / シアル酸 / セラミド / スフィンゴ糖脂質 |
Research Abstract |
シアル酸を含むスフィンゴ糖脂質であるガングリオシドは、細胞分化に関与し、神経機能の調整や可塑性を賦活する新しい因子であることが明らかにされ、神経障害の治療への応用に注目が集まっている。このような状況を背景に、ガングリオシド類の化学合成研究が精力的に進められ、数多くの全合成が達成されてきた。しかしそれらの方法では医学・生物学的応用に十分な量の物質が得られておらず、本研究ではガングリオシド類の合成法を再検討することにより、それらの大量供給を可能にする方法論を確立することを目的とした。 ガングリオシドの化学合成における問題は、以下に2点に集約できる。 1.シアル酸を含む糖鎖の効率的な合成 本研究では、従来困難であったシアリルα(2-8)/(2-4)シアル酸の構築に取り組み、ラクタム型シアル酸を受容体に用いることで収率の向上を達成した。更にこの方法を応用することにより、各種のポリシアロガングリオシド糖鎖の構築に成功した。 2.糖鎖と脂質の縮合の改良 従来、糖鎖とセラミドの縮合は十分な収率では達成されておらず、様々な方法が検討されてきた。本研究では糖鎖とセラミドをコハク酸で架橋した後にグリコシル化を行うという、全く新しい方法を開発することで縮合収率を飛躍的に向上させることに成功した。本研究では、糖鎖としてグルコース単糖を用いたが、今後は、シアル酸を含むより複雑な糖鎖にも応用し、一般性を検討していく。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 糖鎖科学の新展開2005
Author(s)
安藤 弘宗
Total Pages
536
Publisher
(株)エヌ・ティ・エス
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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