2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの糖質・脂質代謝に影響を及ぼす植物成分の探求とその機能解明
Project/Area Number |
16580089
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
室伏 旭 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (00011916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 結子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (20269202)
王 敬銘 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助手 (20300858)
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Keywords | 3T3-L1 / 脂肪細胞 / 野菜 / 食品 / 糖尿病 / 肥満 |
Research Abstract |
糖質および脂質代謝の制御物質の探索のために、本研究ではマウス前駆脂肪細胞3T3-L1の分化誘導後の脂肪蓄積に対する活性を測定した。この細胞は、マウス胎児から分離され培養系として確立されており、インスリン等の作用に応答して脂肪細胞へと分化する。脂肪細胞は動物体内全身に存在して、過剰な血糖や血中脂質を取り込んで脂肪として蓄積する。したがってこの細胞の分化誘導および脂肪蓄積に影響を与える物質は、生体内において糖質や脂質の代謝を制御し、糖尿病や高脂血症などを予防・改善する可能性があるとして注目される。平成17年度には、16年度に行った秋田県産の野菜・山菜のアルコール抽出エキスのスクリーニング結果から、脂肪蓄積を促進あるいは抑制した野菜品種を数種選んで大量調製を行い、有効成分の精製や単離・構造決定を試みた。また、成分を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分析して野菜成分と活性のパターンを検討し、野菜全般の肥満や糖尿病に対する効果について解析を試みた。 HPLC分析結果からは、同一の科から得られた野菜エキスには類似する成分パターンが観察されたが、活性との明瞭な相関関係を見出すことはできなかった。そこで、活性の強かったブロッコリーのエキスから3T3-L1への脂肪蓄積に対する活性を指標に有効成分の単離を試み、活性は弱いが脂肪蓄積を促進する物質としてβ-シトステロールを単離した。また、脂肪蓄積を抑制する分画として脂肪酸エステルを得たので、市販の脂肪酸グリセリドで活性試験を行ったところ、一部の長鎖脂肪酸トリグリセリドで弱い活性があった。これらの化合物の活性は弱かったが、植物に一般的に含まれているこれらの化合物にも、脂肪細胞の脂肪蓄積に活性があることが示された。
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Research Products
(2 results)