2004 Fiscal Year Annual Research Report
非ビニフェラ系ブドウを用いた高リスベラトロールワインの製造
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16580096
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
奥田 徹 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (10252008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 勉 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (00252007)
久本 雅嗣 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (00377590)
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Keywords | リスベラトロール / ワイン / ブドウ / 醸造 / ポリフェノール / 高機能成分 / 紫外線 |
Research Abstract |
ブドウの果皮や葉は、カビ等のストレスに対する防御応答として、リスベラトロールを高濃度に誘導することが知られている。リスベラトロールは、抗癌作用をはじめとする様々な生理作用をもつことから、世界的に非常に注目されている機能性ポリフェノールである。本研究では、ブドウのストレス防御応答を利用して、リスベラトロール濃度を高めたブドウをつくり、そのブドウを原料とすることで、高濃度のリスベラトロールを含有する高機能ワインを製造することを目的とした。リスベラトロールを生合成させるためにブドウに与えるストレスとして、制御が容易で誘導効率が高い紫外線照射を用いた。平成16年度は、ブドウへの紫外線照射条件を最適化し、高濃度のリスベラトロールを含むワイン原料を得るための基礎実験を行った。 ブドウの紫外線処理を樹上で行うことは困難であるため、収穫したブドウ果実に紫外線を照射し、リスベラトロールの誘導を行った。紫外線源としては殺菌等に用いられる市販の紫外線ランプ(波長253.7nm)を用い、ブドウの果房から10cmのところに設置した。この条件で照射時間及び誘導期間の長さ及びその温度について最適化を行った。 照射時間が10〜20分間の場合、最大のリスベラトロールの誘導が認められ、30分間以上の照射では誘導量が減少した。また、誘導時の温度は、15〜25℃程度が適当であった。誘導温度が低い(4℃)の場合、誘導がほとんど認められず、35℃ではリスベラトロールの分解が見られた。紫外線照射をしない場合には果皮中にはリスベラトロールはほとんど認められなかったが、最適な条件での紫外線処理により0.5mg/g skin以上の非常に高いリスベラトロールの蓄積が認められた。本条件で処理したブドウ果実を用いることで、リスベラトロール濃度が非常に高いワインの製造が可能になると考えられた。
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