2005 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性疲労発生機構における脳内サイトカインの機能と代謝調節への関与
Project/Area Number |
16580097
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 和生 京都大学, 農学研究科, 助教授 (80213148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 照雄 京都大学, 農学研究科, 教授 (10177701)
都築 巧 京都大学, 農学研究科, 助手 (50283651)
|
Keywords | 中枢性疲労 / TGF-β / サイトカイン / matrix metalloproteinase / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
1.潜在型TGF-βの脳内での活性化機構 不活性な潜在型TGF-βを活性化する機構にmatrix metalloproteinase(MMP)が関与すると報告されていることから、疲労が生じる運動条件で脳におけるMMPの活性を測定した。疲労により橋・延髄、中脳、間脳でMMP-9が増大することが明らかとなった。 2.TGF-β受容体の脳内での発現部位 in situ hybridization,および免疫染色によりTGF-β受容体のうちタイプ1受容体、タイプ2受容体は視床下部室傍核に発現している事が明らかとなった。 3.TGF-βの作用機構に関する神経化学的検討 TGF-βをラット大槽に投与し、種々の脳部位で細胞外神経伝達物質の濃度を測定すると、視床下部内側核でセロトニン濃度の上昇、ノルアドレナリン濃度の上昇、外側野でセロトニン濃度の減少、内側前頭皮質でセロトニン濃度の減少が見られた。ドーパミン濃度の変化は観察されなかった。 4.脳内投与されたTGF-βの末梢組織に対する作用機構 ラット脳大槽にTGF-βを投与し、血中の各種ホルモン濃度の変化を測定した。しかしながら、アドレナリン、ノルアドレナリン、インスリン、グルカゴン、レプチンの濃度はコントロールに比べ有意な変化を示さなかった。 ラット脳大槽にTGF-βを投与すると下肢骨格筋でのリポプロテインリパーゼ活性の増大が見られた。また脂肪代謝の鍵物質であるマロニルCoA濃度はTGF-βの大槽投与により肝臓、および腓腹筋赤筋部で減少した。
|