2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本型SFMを指向した適応型人工林管理システム(AFMS)の構築
Project/Area Number |
16580120
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芝 正己 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教授 (20144339)
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Keywords | 人工林 / 持続可能な森林管理 / 収穫配分モデル / GIS / シミュレーション / 公社造林 / 森林モザイク / 機能区分 |
Research Abstract |
最終年度に当たる本年度は、GISを援用した収穫量配分・配置モデル(HARVEST)の改良、及び評価基準・指標の重み付けによる意思決定・合意形成システムについてモデル森林を対象に検討した。 HARVESTは、伐採パッチの面積規模、総伐採面積量、最低輪伐期齢等をパラメータとして、森林被覆タイプや遷移段階などの制約条件を考慮しながら、林齢情報を持つグリッド内にピクセル単位で伐採パッチを空間的・時間的に配置し、収穫量の配分を調整することが可能である。ただし、本来、収穫計画に基づいた伐採パッチの配置から将来の森林の空間構造を予測することを目的に作成された収穫量配分・配置モデルであるため、林道からの到達距離や地形などの制約条件は考慮されていない。そこで、GISとの互換性を利用することで、前処理として制限林地や生態系保護区域、水源・山地保全区域等を除外し、さらに、林道・作業道からの到達距離やDTMから推定した地形傾斜分布による技術的収穫可能区域等についての情報を組み込んだゾーニングマップをGIS上で作成することで、実際の施業計画や収穫計画に準拠した、許容伐期齢、伐採パッチサイズ、目標伐採量、隣接林分間の伐採規制等をパラメータとするシミュレーションモデルに改良することが可能となった。 一方、HARVESTで出力された解析結果は、GIS上で視覚的に地図化することが可能であるため、森林管理者を含む様々な利害関係者にも理解しやすいものとなる。このことは、策定された管理計画について広範な意見を求める機会が増えることを意味し、かつそれらの意見を利害関係者にフィードバックすることで、管理計画の妥当性や客観性を高められる。モデル森林の利用-保全機能区分・ゾーニング法、渓流域や河畔域のバッファリング等を事例として本方式による適応性を検証した結果、合意形成や意思決定に際して効果的であることが認められた。
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Research Products
(5 results)