2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580154
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小田 達也 長崎大学, 水産学部, 教授 (60145307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 健一 長崎大学, 水産学部, 助教授 (90363473)
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Keywords | 赤潮 / シャットネラ / 活性酵素 / 溶血活性物質 / 細胞毒性 / 光活性化 |
Research Abstract |
シャットネラはラフィド藻類に属する日本近海で発生する代表的赤潮原因プランクトンである。日本の他、諸外国においてもシャットネラ赤潮は頻発しており、その発生海域も拡大しつつある。我が国においては、特にブリ養殖に対して、また、オーストラリアではマグロ養殖に対して大きな被害が報告されており、その被害総額は数億円に達する場合もある。しかしながらその防除対策法、あるいは魚毒性発現機構については未だ不明である。これまで我々は、シャットネラが活性酸素を産生放出することを明らかにしており、その産生機構や魚毒性との関連性、及びシャットネラにおける活性酸素産生の生物学的意義について研究を進めている。活性酸素の他、シャットネラ細胞からは魚毒性原因物質として高度不飽和脂肪酸、血球凝集素、神経毒素であるブレベトキシン様物質の存在が報告されている。これらの因子がシャットネラの魚毒性発現にどの様に関与しているのか、いまだ多くの点が不明である。最近、われわれはシャットネラ細胞内に溶血活性物質が存在していることを突き止めた。予備実験において、ゲルクロマトグラフィー上で溶血活性と血球凝集活性は完全に分離できることを見出している。そこで、本研究では、シャットネラの溶血活性物質の更なる精製を行い、その実体を明らかにすると共に、本溶血活性物質のシャットネラの魚毒性発現における重要性について検討した。さらに、精製された活性物質の生化学的作用機構を細胞レベルで解析し、その光線力学療剤としての応用的側面の可能性についても解析した。その結果、本溶血毒素は種々の培養細胞に対して、濃度依存的に強い細胞致死作用を発現することが明らかとなった。なお、その細胞毒性は溶血活性と同様、光依存的であり、暗所では高濃度まで毒性は認められなかった。また、本毒素処理細胞では特徴的細胞形態変化が認められた。今後、本年度に得られたこれらの知見を基に、さらにその生化学的緒性質について検討する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Induction of cytokines by toxins that have an identical RNA N-glycosidase activity : Shiga Toxin, ricin, and modeccin.2004
Author(s)
C.Yamasaki, K.Nishikawa, X, -T, Zeng, Y.Katayama, Y.Natori, N.Komatsu, T.Oda, Y.Natori
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Journal Title
Biochem.Biophysi.Acta 1671
Pages: 44-50
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