2005 Fiscal Year Annual Research Report
農協コメ共販におけるサプライ・チェーンマネジメントの展開可能性に関する研究
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16580175
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青柳 斉 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30184055)
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Keywords | 産物マーケティング / 農協共販 / コメ流通 |
Research Abstract |
コメ主産地の統一的生産管理及びSCM志向の現段階的性格について、参考情報の収集のために、全国の先進的ないし特徴的なコメ共販を展開している事例農協の現地調査を行った。まず、新潟県内の農協コメ共販の現状について、資料収集と関係機関からの概況調査を行なった。また、コメの産地マーケティングにおいて先進的な北海道において、道内の良食味米産地である上川地区内の現地調査を行った。具体的には、JA当麻、JAピンネ、JA東神楽、JA東川の各米穀担当から、直売拡大志向のもとで、買取り販売や生産者への系統的な栽培管理指導の実態について情報収集した。次に、秋田こまちの低価格米産地である山形県最上地方において、JA新庄もがみ及びJA金山からは、民間業者との激しい集荷競争の過程において、買付集荷や契約生産を展開している現状について情報収集した。さらに、西日本の良質米コシヒカリ産地である島根県において、JA全農しまね及びJA雲南から、産地指定の状況や県内農協のPB米の展開状況、農協独自販売の拡大志向について情報収集した。そして、環境保全型農業を展開している滋賀県において、県水田農業推進協議会から「環境こだわり米」の販売状況について情報収集した。 また、コメ産業の関連流通業者から、実需者ニーズの傾向や用途別需要の対象・傾向、及び主産地とのSCM志向等について実態調査した。まず、コープこーべ(生協)からは、「フードプラン」におけるコメ販売戦略について貴重な情報を得た。コメ卸大手の神明(株)からは、最近のコメ卸・小売り市場動向や東北・北陸産米の市場評価等について参考知識を得た。さらに、木徳神糧(株)からは、産地仕入れ戦略や業務用需要に対応した産地選別の状況、ベンダーの原料米としてのニーズ等について貴重な情報を得た。 国内調査に加えて、日本のSCM的コメ共販の展開と対比する参考知識として、中国浙江省杭州市において、ジャポニカ米の消費拡大傾向やコメ産地の契約生産や精米加工企業の農民に対する統一的な生産管理の展開について、市食糧局や糧食企業、農業普及指導機関、村幹部及び生産者から情報収集した。 以上のコメ主産地及び流通関連業界からの情報収集により、今後の作業仮説や研究課題の結論に関する貴重な知見を得た。なお、研究成果の一部を日本協同組合学会・第26回大会で個別報告した。
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Research Products
(1 results)