2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域資源循環における適正技術としての堆肥技術の集積と普及に関する研究
Project/Area Number |
16580177
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
波夛野 豪 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30249370)
|
Keywords | 堆肥技術 / 堆肥判定基準 / 技術の情報化 / 技術波及 / 廃棄物処理技術 / 民間技術 / 有機農法 / 地産地消運動 |
Research Abstract |
(概要) 初年度は、堆肥技術を集積するための枠組みを検討した。堆肥技術のコンテンツを文献調査によって収集し、各地域で活動する団体や技術者、そのネットワークに関する情報をフィールド調査によって収集した。 (文献調査) 現在、堆肥技術にかかわる農業技術に関して、自然農法、有機農法、天然農法、微生物農法など民間農法の文献調査を行い、定性的な記述を比較可能な形で分析するための検討を行った。特に、現在でもコンセンサスの得られていない堆肥の質の判定基準に関する記述について集約を試みた。 (フィールド調査・研究会) 対象事例が散在し、かつ、地産地消運動などに伴う人的なリンクによる技術波及も見られるために、三重県白山町、愛知県名古屋市、滋賀県水口町を数次訪問し、現地で採用されているシステムのメーカーやシステムエンジニアを取材した。並行して、堆肥技術の実践家、廃棄物処理技術者、住民活動の実践者との研究会を数次開催し、理論的裏づけの薄い民間農法について、比較可能な形に整理するための議論を重ねている。 (データのデジタル化検討) 情報収集と並行して、実践事例とメディアとの適合性を比較しながら最適なデジタル化方法を検討した。集積するデータの形式は、文書だけでなく、音声、画像、動画も含めて堆肥化にかかわる現場の実践技術をデジタル化することが、資源循環にかかわる研究として重要な貢献となるが、デジタル化不可能な「臭気」が、現場における堆肥の判定要素として最も重要であるという限界も確認した。 (周辺領域との連携作業および情報収集) 現場の経験的技術を実験室へフィードバックするために有効な情報要素を確定するための検討を行った。また、上述の調査地への聞き取りによって、それらの活動のリンク先を確認し、調査対象となる技術や地域活動の情報を収集行った。これらの情報収集自体がこの研究の眼目のひとつであり、以上の作業を次年度も継続する。
|
Research Products
(2 results)