2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580182
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大隈 満 愛媛大学, 農学部, 教授 (20335889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 淳 愛媛大学, 農学部, 助教授 (90229435)
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Keywords | 柑橘 / 集団的営農 / 重層的主体間関係 / 共選組織 / 組織論 / 交換分合 / 樹園地分散 / 樹園地集団化 |
Research Abstract |
研究代表者は、愛媛県吉田町(現宇和島市)において、アンケート及び面接調査を引き続き実施し、この結果を踏まえつつ、宇和青果の共選組織機能の歴史的変遷について検証した。その結果、明治以前から現代に至る共選組織の機能変遷について、8つの機能を析出した。ついで、この各機能について、現代の農家がどのような評価をくだしているかを分析し、これらの分析、考察の結果を、学位(農学博士)請求論文「柑橘地帯における共選組織の機能変遷過程と現代の農家の反応に関する研究」としてとりまとめ、国立大学法人九州大学に提出し、2005年10月31日付けをもって受理された。この成果を、組織論の観点から見直し、地域農業マネジメントセンターの現状との関係を、理論的かつ実証的に考察することを平成18年度の課題とすることにしている。 研究分担者は、宇和島市吉田町の柑橘作農家を対象として、(1)樹園地分散の実態、(2)樹園地分散のメリット、デメリット、(3)樹園地集団化に対する意識を把握するために、聴き取り調査及びアンケート調査を実施した。 その結果、(1)に関して、調査対象農家の樹園地は平均8.6カ所に分散しており、大規模階層の農家ほど分散度が大きいことが明らかになった。また、保有する団地の面積差、標高差、方位差も大きい。(2)に関して、約半数の農家が樹園地分散は作業の支障になっていると考えており、とくに防除と収穫で支障が大きいことが明らかになった。他方で、保有する樹園地の方位差及び標高差は、農家に適地適作や危険分散のメリットをもたらしている。(3)に関して、七割以上の農家が、将来的に樹園地の集団化が必要であると考えており、規模階層が大きくなるほど、その割合が高いことがかになった。また、樹園地を一ケ所にまとめたいと考えている農家は少なく、現在の半分程度に団地数を減らしていと考えたいる農家が多かった。
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Research Products
(2 results)