2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580185
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Research Institution | Kyoei University |
Principal Investigator |
中村 哲也 Kyoei University, 国際経営学部, 講師 (80364876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 昌之 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20003147)
丸山 敦史 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (90292672)
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Keywords | リンゴ / ロジットモデル / 海外輸出 |
Research Abstract |
今年度は、果実の海外輸出に関する計量的分析の推定結果の考察を行った。具体的には、2007年度におけるメッセベルリンで日本産黄色リンゴの購買層評価を行った。ロジットモデルによって日本産黄色リンゴの購買層を検討した結果、日本産黄色リンゴは女性および大学院修了者が購入意思のあることが明らかにされた。そして、日本産黄色リンゴの価格に関して、全体の3割強が購入意思もなく、4割がほとんど価格のプレミアムを感じていないという結果となった。一方、8割前後が購入意思のある女性と大学院修了者に関して、女性でも3割強が価格のプレミアムはないと回答するものの、他方、大学院修了者では3割強が価格のプレミアムを若干感じているものと推測された。続いて、品種間に価格差が許容されるかについてであるが、王林を評価する女性は、シナノゴールドや星の金貨といった新品種との価格差を許容しない。そして、それらの2つの新品種を評価する大学院修了者は、女性以上に価格差は妥当でないと回答し、当然価格差を許容しかねるといった結果が得られた。購入意思の高い女性と大学院修了者が食味試験によって特定品種を高く評価した場合においても、実際に購入するとなると、日本産リンゴの価格プレミアムは現状的には高いものとはいいきれず、価格帯は現行の輸出価格で取引する必要があることが明らかにされた。今後の輸出の際は、為替レートを考慮しつつ、当該輸出国での価格設定の重要性が示唆された。今後、生産者・輸出業者は生産・出荷体制を、行政は試験研究機関等による生産支援体制を整え、当該輸出国の消費嗜好に適合する商品開発と差別化戦略を遂行する必要があることが明らかとなった。
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