2004 Fiscal Year Annual Research Report
効率的かつ公正な水資源配分における農民管理組合の役割-南インドの事例
Project/Area Number |
16580193
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
梅津 千惠子 総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (40294251)
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Keywords | インド / 灌漑組織 / 溜池 / 貧困 / 農業 / 米作 |
Research Abstract |
研究の目的 この研究の目的は水管理組合が効率的かつ公正な水管理に果たす役割を研究することである。1)南インド・タミルナドゥの伝統的溜池灌漑の管理システムを研究し、水利用効率の向上に示唆を与える。2)環境資源管理が貧困削減へ果たす役割を考察し、地域の水資源管理に示唆を与える。平成16年度は南インドのタミルナドゥ州において溜池灌漑地域において社会経済学的フィールド調査を実施し、主に溜池灌漑の水管理組織および農民に対する聞き取り調査を行なった。具体的な研究計画は以下の通りである。 研究方法 平成16年度はインド・タミルナド州南部の20箇所の溜池農村(マドライ郡、シバガンガ郡、ツルネルベリ郡、ビルドゥナガル郡、テニ郡)について溜池管理組合の管理レベルについての調査、各溜池について20農家における生産状況等の家計調査を実施した。平成15年の農業シーズン(2003-2004稲作シーズン)は旱魃で多くの溜池に水が無い状態であった。 研究成果 今年の調査の重点は旱魃期の溜池管理組合および各農家レベルの対応を調査することであった。各家計は大幅な家計消費(特に衣類、食料消費、教育支出等)の縮小を余儀なくされていた。旱魃による農作物不作による収入の減少、不在により、農家は出稼ぎ等の外部収入に依存し、また土地なし層やカーストなどにより社会的条件が不利な階層は土地所有する農民と比較して外部収入への選択肢の幅が狭い傾向が見られた。
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