2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580200
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
肥山 浩樹 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (10208788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 瑞樹 鹿児島大学, 農学部, 助手 (40284913)
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Keywords | シラス / 不飽和土 / コラプス / 水浸 / サクション |
Research Abstract |
研究に用いた試料は、前年度に引き続き鹿児島県霧島市(旧溝辺町)で採取した1次シラスである。締固めたシラスの不飽和状態での圧縮特性やせん断特性、および水浸によるこれら特性の変化を把握するために、定体積一面せん断試験と不飽和三軸圧縮試験を行った。実験に用いた供試体は、風乾した試料を2mmふるいに通過させ、所定の初期含水比に調整した上で乾燥密度が1.00g/cm^3になるように締固めて作製した。これらの試験から得られた主な成果は以下の通りである。 1.初期含水比を20%に調整して締固めたシラスを定体積のまま一面せん断中に水浸すると、せん断応力と垂直応力の急激な減少が認められた。これらの応力の減少は、水浸によって供試体が持つサクションを解放したことに起因するものである。特に垂直応力の減少は、定圧試験におけるコラプス現象に相当するものであり、圧密圧力の高い供試体ほど垂直応力の減少量が大きくなった。 2.初期含水比が10%と30%の試料についても同様に定体積一面せん断試験を行い、せん断中に水浸させた。水浸前後におけるせん断応力の大きさは、この含水比の範囲では特に差異は認められなかった。ただし、水浸による垂直応力の減少量は、乾燥した供試体ほど大きくなった。このことは、サクションの大きい供試体ほどコラプスを発生しやすくなることを示していると考えられる。 3.不飽和三軸圧縮試験から、供試体の体積変化には拘束圧力が、水分量変化にはサクションが寄与することが明らかとなった。また、サクションが増大すると主応力差も増大する傾向が認められた。
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