2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580232
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山内 伸彦 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00363325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 眞彰 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60175536)
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Keywords | ラット / 子宮内膜 / 組織工学 / スフェロイド / 間質細胞 / 免疫細胞化学 / 海洋性コラーゲン / MMP |
Research Abstract |
本研究は、生体外での子宮内膜機能解析モデル構築のため、ラットの子宮内膜由来細胞を組織工学的手法によって三次元の子宮内膜様構造体(子宮内膜スフェロイド)として再構築することを目的としている。平成16年度はラット子宮内膜より間質細胞を分離・採集して継代可能な培養系を確立し、その細胞特性を明らかにした。平成17年度は、確立した培養系(ラット子宮内膜間質細胞;RES)を用いてスフェロイドを構築し、その特性を明らかにする計画であった。 スフェロイドの構築にはフィブリゲルを用いた。鮭皮由来コラーゲンであるフィブリゲル上でRESを培養し、コンフルエントに達した後コラーゲナーゼ処理によって細胞シートを脱離させた。細胞シートをアガロースコートプレートで培養したところ、収縮・凝集して脱離後3日目には辺縁部が滑らかとなり直径約1mmのスフェロイドが形成された。スフェロイド内部の細胞の生存性(TUNEL法)と増殖活性(免疫組織化学;PCNA抗体)を調べた結果、少なくとも10日間は内部の細胞が生存しており、細胞増殖活性が著しく低下していた。さらに、スフェロイドの細胞外マトリックス分解酵素(MMP)産生をゼラチンザイモグラフィー法によって解析した結果、細胞シート脱離後MMP産生が徐々に低下し培養3日目以降ほとんど検出できなかった。スフェロイド内部の細胞増殖活性およびMMP産生が低下していたことは、細胞が単層培養条件下と異なり、生体内と同様に極めて安定した状態に有ることを示している。 これらの結果から、海洋性フィブリゲルを用いてラット子宮内膜間質細胞のスフェロイドを作製できる事が明らかとなり、生体外での子宮内膜機能解析モデルとして有効であると考えられる。
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