2004 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ骨格筋異常におけるタンパク質分解システム関連遺伝子の発現
Project/Area Number |
16580233
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大塚 彰 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (10233173)
|
Keywords | ブタ骨格筋 / タンパク質分解 / ストレスモデル / グルココルチコイド / 遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
ブタの骨格筋異常の代表的なものとしてストレス症候群(Porcine Stress Syndrome, PSS)に典型的な例が見られる。ストレス感受性遺伝子(PSS遺伝子)を有する個体においては、しばしばトラック輸送などのストレスが誘発要因となり、強い筋硬直とそれに関連した筋肉の代謝異常が引き起こされる。この結果、筋肉タンパク質分解の高進、pHの異常低下、保水力低下によるドリップの発生および白色化が起こり、食肉としての価値が著しく低下する。しかし、PSS個体は筋肉量が多く、脂肪層が薄いといった有利な経済的形質を有する。本研究の目的は、ブタ骨格筋異常におけるタンパク質分解システム関連遺伝子発現の変化を調べ、責任遺伝子を特定し、筋異常の細胞内メカニズムを解明することにある。さらに筋異常の発生防止法の確立を目指している。 現在までに、ストレスホルモン(グルココルチコイド)を投与したストレスモデルブタから骨格筋を採取し、遺伝子発現の解析を目的として、総RNAの抽出を行い、ノーザンプロッティング法により筋異常に関わると考えられる遺伝子アトロジン-1の発現量を調べた。しかし、ブタ骨格筋サンプルではアトロジン-1発現量は極めて低いため、再現性良く、発現量を定量化することが困難であると結論された。そこでリアルタイムPCR法による解析を試みたところアトロジン-1発現量の定量化に関しては良好な結果が得られた。しかし、予想に反して、アトロジン-1発現量はストレスにより変動しない結果が得られている。今後はアトロジン-1以外の遺伝子(MuRF-1、プロテアソーム、ポリユビキチン等)の発現量の変化を調査する予定である。
|