2005 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ骨格筋異常におけるタンパク質分解システム関連遺伝子の発現
Project/Area Number |
16580233
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大塚 彰 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (10233173)
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Keywords | ブタ骨格筋 / タンパク質分解 / グルココルチコイド / 筋原線維 |
Research Abstract |
ブタの骨格筋異常の代表的なものとしてストレス症候群(Porcine Stress Syndrome, PSS)に典型的な例が見られる。ストレス感受性遺伝子(PSS遺伝子)を有する個体においては、しばしばトラック輸送などのストレスが誘発要因となり、強い筋硬直とそれに関連した筋肉の代謝異常が引き起こされる。この結果、筋肉タンパク質分解の高進、pHの異常低下、保水力低下によるドリップの発生および白色化が起こり、食肉としての価値が著しく低下する。しかし、PSS個体は筋肉量が多く、脂肪層が薄いといった有利な経済的形質を有する。本研究の目的は、ブタ骨格筋異常におけるタンパク質分解システム関連遺伝子発現の変化を調べ、責任遺伝子を特定し、筋異常の細胞内メカニズムを解明することにある。さらに筋異常の発生防止法の確立を目指している。 現在までに、ストレスホルモン(グルココルチコイド)を投与したストレスモデルブタから骨格筋を採取し、遺伝子発現の解析を目的として、筋異常に強く関わると考えられる遺伝子アトロジン-1の発現量をリアルタイムPCR法を用いて調べたが、アトロジン-1の発現量はストレスにより変動しない結果が得られている。そこで、次にストレス時における筋肉の超微細構造の変化を調べるため、マウスにグルココルチコイドを投与し、筋萎縮を誘発させたモデルを作成し、この動物の筋原線維の変化を透過型電子顕微鏡を用いて調査している。その結果、筋原線維を束ねるのに重要な中間系フィラメントの主要構成タンパク質デスミンの消失が観察された。
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