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2004 Fiscal Year Annual Research Report

カンピロバクターのバイオフィルム形成機構とその生物学的機能に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16580250
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

三澤 尚明  宮崎大学, 農学部, 助教授 (20229678)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 天野 憲一  秋田大学, バイオサイエンス教育・研究センター, 助教授 (40113766)
Keywordsバイオフィルム / カンピロバクター / 食中毒 / 多糖体 / 分子生物学
Research Abstract

Campylobacter jejuniはわが国の主要な食中毒の原因菌であり、腸管外感染としては麻痺を主徴とするギランバレー症候群との関連性が問題となっている。しかしながら、それらの発症希序や環境中における生存様式の解明には至っていない。本研究では、我々が以前より観察してきたC.jejuniのバイオフィルム形成能に着目し、分子生物学的手法を用いて生体や環境中でのバイオフィルム形成の制御機構を明らかにし、その生物学的意義を明らかにすることを目的としている。平成16年度は、バイオフィルム形成能を客観的に評価するため、定量的な測定系を確立し、フィルム形成に影響する要因を調べることとフィルムの構成成分を推定することを主眼におき、研究を実施した。
24穴マイクロプレート内に円形のカバースリップを入れて菌を培養し、カバースリップ表面に付着した菌を剥し、その吸光度をマイクロプレートリーダーにより測定したところ、良好な結果が得られた。この方法を用いて、C.jejuni 81-176株とその鞭毛欠損株、運動性欠損株、莢膜多糖欠損株のフィルム形成能を比較したところ、鞭毛欠損株と運動性欠損株で有意にフィルム形成能が減少した。次にバイオフィルム形成に及ぼす培地pHの影響について調べたところ、pHが6以下の酸性領域ではフィルムを形成しなかったが、中性からアルカリ領域ではフィルムの形成が観察された。さらにバイオフィルムの構成成分(接着成分)を調べるため、ガラス表面にバイオフィルムを形成させた後に、トリプシン、プロテナーゼKおよびリパーゼを添加したところ、リパーゼの添加によりフィルムが消失したが、蛋白分解酵素処理では変化がなかった。多くの細菌が形成するバイオフィルムの構成成分は多糖体を含んでいる。C.jejuniのバイオフィルム中の多糖体を検出するため、野生株とバイオフィルム非形成株の蛋白分解酵素処理後のサンプルの銀染色性をSDS-PAGEで比較したところ、野生株には染色され、欠損株には染色されない低分子の糖が検出された。以上の結果から、C.jejuniのバイオフィルムを形成する構成成分あるいは接着成分として、糖と脂質を含んでいることが示唆された。さらにフィルム形成には菌の鞭毛による運動性が必要であり、培地pHが影響することがわかった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2005 2004

All Journal Article (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] カンピロバクター感染症2005

    • Author(s)
      三澤尚明
    • Journal Title

      モダンメディア (印刷中)

  • [Book] 共通感染症ハンドブック2004

    • Author(s)
      吉川泰弘
    • Total Pages
      273
    • Publisher
      社団法人 日本獣医師会

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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