2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580274
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
今野 晴義 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (10108178)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 進 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (60033122)
積木 久明 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (60033255)
|
Keywords | イスノキ / ゴール形成機構 / イスノキカルス細胞 / 糖質分解酵素 / 植物細胞壁構造 / 吸汁性害虫 |
Research Abstract |
イスノキ健全葉、ゴール組織、カルス細胞を、リン酸緩衝液中で破砕した後、緩衝液可溶性画分と細胞残渣に分別した。さらに、細胞残澄を塩化リチウムに懸濁し、塩可溶性画分と沈澱(細胞壁)画分に分別した。緩衝液可溶性画分と塩可溶性画分に含まれる蛋白質は硫安沈澱として集めて粗酵素溶液とし、各種糖質分解酵素(グリコシダーゼとグルカナーゼ)活性を測定した。健全葉においては、ほとんどの酵素が緩衝液可溶性画分に検出されたが、活性はゴール組織やカルス細胞に比較して弱かった。ゴール組織の塩可溶性画分には、β-ガラクトシダーゼ、β-キシロシダーゼ、α-アラビノフラノシダーゼ、ポリガラクツロナーゼの活性が高く、またカルス細胞においては、ほとんどの酵素が緩衝液可溶性画分と塩可溶性画分に検出され、β-グルコシダーゼ、α-とβ-ガラクトシダーゼ、β-キシロシダーゼ、α-アラビノフラノシダーゼ、β-グルカナーゼなどの活性が著しく高かった。 一方、健全葉、ゴール組織、カルス細胞から調製した細胞壁画分を、α-アミラーゼとプロテアーゼで処理した後、精製細胞壁標品の構成糖組成を比較した。健全葉とゴール組織では、アラビノース、キシロース、ウロン酸の含量が[5-8mg/100mg乾燥細胞壁]と高く、カルス細胞では、アラビノース、キシロース、ガラクトースが[7-12mg/100mg乾燥細胞壁]、ウロン酸が[4mg/100mg乾燥細胞壁]であった。次に、各々の細胞壁からCDTAとNa_2CO_3でペクチンを、1 M KOHと4 M KOHでヘミセルロースを抽出した。その結果、ゴール組織とカルス細胞から可溶化されたペクチンは健全葉の約3倍、カルス細胞から可溶化されたヘミセルロースは健全葉とゴール組織の約2倍であった。
|