2004 Fiscal Year Annual Research Report
NMR,X-RayおよびCSI-MSによる生体分子の溶液動態の解析
Project/Area Number |
16590002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 宏子 千葉大学, 分析センター, 助教授 (60114245)
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Keywords | 分子間相互作用 / ステロイド化合物 / 分子拡散 / PFG-NMR / CSI-MS / 水素結合 / タンパク質-薬物複合体 |
Research Abstract |
分子間に働く相互作用の観測のため、NMRにおいて溶液中の自己拡散係数測定を相互作用のない化合物で行い、検量線を作成した。高分子の分子量の評価で、分子量と拡散係数による検量線が用いられた例はあるが、低分子の評価に使った例はない。また、CSI-MSは相互作用を観測するのに非常に優れた方法であるので本研究にも適用した。また、固体構造解析として単結晶X線解析を用いた。最初にNarcissistic(自己会合)の観測として、ステロイド分子を例に取り、CSI-MS、自己拡散係数、単結晶X線構造解析を用いて溶液中での会合状態の解析を行った。溶液状態で測定を行なうNMRに加えて、弱い相互作用も観測できるCSI-MSによる評価とX線解析からの固体情報を比較することで、ステロイド分子の溶液中の様子について考察した。(論文1)さらに拡散測定によるDOSYを利用した水素結合の評価についても良好な結果を得ることができた。(論文作成中)次に、異なる分子間での相互作用の解析について、コール酸の包接・タンパク質-薬物間の相互作用の観測・^<19>FNMRによるタンパク質-薬物間の相互作用の観測について、拡散係数での評価の可能性について検討した。タンパク質-薬物間の相互作用については、Saturation transfer difference NOE(STD)法やNOE pumping法がすでに報告されているが、実際に活性が知られているヒト血清アルブミン(Human serum albumin, HSA)を用いていくつかの化合物について測定し良好の結果を得た。(論文2)さらにフッ素を含む薬物に対して^<19>F観測により^<19>F-^1HのNOEの2次元測定(HOESY)・自己拡散係数による評価を行い、含フッ素化合物についての^<19>FNMRの有用性を示した。(論文3)
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