2005 Fiscal Year Annual Research Report
核外移行シグナル含有蛋白を標的とする新規医薬リード化合物の創製
Project/Area Number |
16590007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 啓寿 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00210013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 理 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (30362619)
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Keywords | 核外移行シグナル / 1'-acetoxychavicol acetate / 核外移行阻害剤 / 医薬リード化合物 / 抗HIV剤 / 抗がん剤 / CRM1 / 分子軌道計算 |
Research Abstract |
既に我々が見出している核外移行シグナル(NES)依存的な核外移行阻害剤である1'-acetoxychavicol acetate (ACA)は、分子内に2個のアセチル基を有していることから、動物モデル実験においてエステラーゼ等の作用を受け加水分解されると考えられる。そこで、生体内での安定性向上を目的に、アセチル基を加水分解され難いと推定されるカルボネート、カルバメートへと変換したアナログを合成し、血清を含む培地中での安定性および核外移行阻害活性について検討した。その結果、フェノール性水酸基に加水分解され難い官能基を導入することで活性が大きく減弱することが判明し、強力な活性発現にはこの部分の加水分解とそれに続くキノン中間体の形成が必須であることを明らかにした。そこで、ACAの4位アセトキシル基の加水分解と加水分解により得られるアルコール体からキノン形成の活性化エネルギーを分子軌道計算により算出したところ、4位アセトキシル基の加水分解が活性発現の律速段階であることを明らかにした。また、各種合成アナログの本活性化エネルギーを算出したところ、NES含有蛋白核外移行阻害能と本活性化エネルギーの間に良好な相関があることを見出した。さらに、芳香環部分に各種置換基を導入したアナログの本活性化エネルギーを分子軌道計算で算出し、数種の活性アナログの設計・合成を行った。合成したアナログについて蛋白外移行阻害能を検定した結果、天然物であるACAより50倍強い活性を示す2、3位にフッ素を導入したアナログを見出すことができた。 一方、これまで相同性の高い蛋白が全く報告されていなかったNES含有蛋白の受容体蛋白であるCRM1については、フォールド認識法によってモデル構造を構築した。
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Research Products
(4 results)