2004 Fiscal Year Annual Research Report
α,α-二置換-α-アミノ酸構造を有する生物活性天然物の合成研究
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16590016
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮岡 宏明 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (10231622)
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Keywords | α,α-二置換-α-アミノ酸 / salinosporamide A / 合成 / 海洋天然物 |
Research Abstract |
本研究は、αα二置換-αアミノ酸構造を含む天然物の簡便かつ一般的な合成法の確立を目的に行うものであるが、本年度はαα二置換-αアミノ酸構造を含むsalinosporamide Aを標的化合物に選び、その全合成の前半部分に相当する工程を検討した。 Salinosporamide Aを合成するには、連続した5つの不斉中心(C-2,3,4,5および6位)を如何に立体制御して構築するかがポイントであり、その点を踏まえ、交付申請書の実施計画に示した合成計画を立案し、それに従った検討を行った。2-Amino-2-(hydroxymethyl)propane-1,3-diolを出発原料に用い、これと安息香酸の脱水縮合により得られるジオールに対し、リパーゼを用いた速度論的非対称アセチル化反応を行ったところ、99%eeの光学純度でアルコールが得られた。アルコールの水酸基をMPMで保護した後、アセチル基を除去し、炭素鎖の延長によるアリルアルコールを合成し、アリルアルコールのSharpless不斉エポキシ化によりエポキシアルコールとした。これにCuCN存在下Grignard試薬を作用させエポキシドに対するアルキル基の導入を行いアルコールとした後、生じた水酸基をTBSで保護し、MPMを除去し、炭素鎖の延長を行いアリルアルコールとした。アリルアルコールをSharpless不斉エポキシ化によりエポキシアルコールとし、さらにGrubbs試薬を用いた閉環オレフィンメタセシスによりsalinosporamide Aのシクロヘキセン部を構築した。今後、エポキシドに対するアルキル基の導入を経るsalinosporamide Aの合成を検討する予定である。
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