2005 Fiscal Year Annual Research Report
α,α-二置換-α-アミノ酸構造を有する生物活性天然物の合成研究
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16590016
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮岡 宏明 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (10231622)
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Keywords | α,α-二置換-α-アミノ酸 / salinosporamide A / 合成 / 海洋天然物 / 2-(hydroxymethyl)glutamic acid / (-)-deoxydysibetaine |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続きプロテアソーム阻害作用を有するsalinosporamide A合成の検討を行った。さらにグルタミン酸レセプターに対するアゴニスト作用を有する(R)-2-(hydroxymethyl)glutamic acidと(-)-deoxydysibetaineの合成を行った。 2-Amino-2-(hydroxymethyl)propane-1,3-diolを出発原料に用い、これと安息香酸の脱水縮合により得られたプロキラルなジオールに対し、リパーゼを用いた速度論的非対称アセチル化反応を行ったところ、高い光学純度のアルコール(>99%ee)が得られた。得られたアルコールの水酸基をMPM基にて保護した後、アセチル基を除去し、炭素鎖の延長によりアリルアルコールとした後、Sharpless不斉エポキシ化によりエポキシアルコールを得た。これにCuCN存在下Grignard試薬を作用させエポキシドに対するアルキル基の導入を行いアルコールとした。水酸基を酸化後、Wittig反応によりオレフィンを導入、さらにGrubbs試薬を用いた閉環オレフィンメタセシスによりシクロヘキセンを構築した。MPM基を脱保護し、生じた水酸基を酸化して得たアルデヒドにブタン酸誘導体とLDAより調製したエノラートを作用させアルドール反応を行い、salinosporamide Aの全炭素骨格を有する化合物を合成することができた。 一方、上記のリパーゼを用いた速度論的非対称アセチル化反応により得たキラルなアルコールより、Wittig反応による炭素の延長、オレフィンの還元等により(R)-2-(hydroxymethyl)glutamic acidと(-)-deoxydysibetaineの合成中間体をそれぞれ合成した。
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