2006 Fiscal Year Annual Research Report
α,α-二置換-α-アミノ酸構造を有する生物活性天然物の合成研究
Project/Area Number |
16590016
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮岡 宏明 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (10231622)
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Keywords | α,α-二置換-α-アミノ酸 / salinosporamide A / 合成 / 海洋天然物 / 海洋資源 |
Research Abstract |
α.α-二置換-α-アミノ酸誘導体の合成研究の一環としてプロテアソーム阻害作用を有するsalinosporamide Aの合成を行っている。本年度は昨年度までの検討を踏まえた、新たな合成経路の検討を行った。 まず、昨年度までに合成したsalinosporamide Aの炭素骨格を有する化合物からの全合成を検討したが、立体選択性および収率の点で問題があり、salinosporamide Aの合成を行うことはできなかった。そこで、シクロヘキセンの構築以前にC4ユニットを導入することにより、立体選択性を向上することが可能と考え、新たな合成経路を検討した。トリスから得られるプロキラルなジオールのリパーゼを用いた非対称アセチル化反応により、>99%eeの光学純度でアルコールを得た。得られたアルコールの水酸基をMPM基で保護、アセチル基の除去、Homer-Wadsworth-Emmons反応による炭素鎖の延長、エステルの還元により得たアリルアルコールをSharpless不斉エポキシ化によりエポキシアルコールとした。これにCuCN存在下Grignard試薬を作用させエポキシドに対してアルキル基の導入を行いアルコールとした。二級水酸基をTBS基で保護、一級水酸基を酸化してアルデヒドとした後、Wittig反応によりオレフィンを導入した。MPM基の脱保護、生じたアルコールを酸化してアルデヒドした後、メチル化、酸化によりメチルケトンとした。このメチルケトンに対し、3-bromofuranとBuLiより調製したアニオンを作用させることにより、C4ユニットが立体選択的に導入されたアルコールを単一生成物として得ることに成功した。現在、水酸基の相対配置の確認、シクロヘキセンの構築を経るsalinosporamide Aの合成を検討している。
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