2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNA触媒及びH4受容体機能解明のためのイミダゾールC-ヌクレオシドの合成研究
Project/Area Number |
16590024
|
Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
春沢 信哉 Osaka University of Pharmaceutical Sciences, 薬学部, 教授 (90167601)
|
Keywords | リボザイム / ホスホロアミダイド / イミダゾール / C-ヌグレオシド / アンタゴニスト / H3 / H4 / ヒスタミン |
Research Abstract |
1.イミダゾール含有RNAプローブの開発とリボザイムの触媒反応機構の解明 我々は、ここ数年リボザイムの触媒反応機構の解明を目的として、最初のコアビルディングブロックである新規イミダゾールC-ヌクレオシドボスホロアミダイト1の合成を報告した。共同研究者のLilleyらは、1を用いてイミダゾール改変VSリボザイム及び改変ヘアピンリボザイムの自動合成を行い、それらの自己切断活性を確認することで、VSリボザイムでは、A756が、ヘアピンリポザイムではG8が一般酸-塩基触媒である事を証明した。これにより、アミダイト1を用いると「リボザイムの活性中心が一般酸-塩基触媒であるかどうかを化学的に証明する手法」を初めて提示する事ができた。しかし、不安定なボスホロアミダイト1の化学合成は困難であるため、今回さらに種々検討したところリボヌクレオシドの2'水酸基をシアノエチル基とした新規ホスホロアミダイト2をデザインしたところ、アミダイトの安定化と効率合成に成功した。これらの成果は現在論文作成中である。 2.新規ヒスタミンH3 (H4)アンタゴニストへの合成化学的研究 クロベンプロピットは、強力なヒスタミンH3(H4)リガンドであり、S-アルキル-N-アルキルイソチオ尿素構造を持つ。しかし、イソチオ尿素合成の従来法は、通常1週間程度還流しても低収率である。そこで、種々合成法を検討したところ、クロベンプロピット効率的合成に成功し、総収率で5倍以上、総時間も1/5程度になり大幅な改善に成功した。この手法は応用性が高く、クロベンプロピットのイミダゾールを環状2級アミンにしたもの、あるいは疎水性部位の4-クロロベンジル基をカルボランに置換した化合物など多数の合成を行った。さらに、これらの化合物を、生きたラットを用いる微小脳透析法により評価したところラットの脳内ヒスタミンを150-160%増加させるH3アンタゴニストのいくつかを見出した。これらの成果は、ごく最近のJ.Org.Chem.誌(Vol.73, p 2096, 2008)に発表し、さらに誘導体台成とヒトのH3及びH4受容体を用いてその正確な機能活性の測定を開始している。
|