2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗かび抗生物質スピロファンジンAおよびBの合成と活性
Project/Area Number |
16590026
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
清水 猛 独立行政法人理化学研究所, 袖岡有機合成化学研究室, 副主任研究員 (80087569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 健郎 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (60281648)
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Keywords | スピロファンジンA / 6,6-スピロアセタール / トリカルボン酸 / 抗かび抗生物質 / バイオプローブ / リベロマイシンA / スピロファンジンB / ワインレブアミド |
Research Abstract |
スピロファンジンA(1)およびB(2)は、放線菌Streptomycesより4:1の混合物として単離された抗カビ抗生物質である。これらの化合物は7個の不斉炭素を有しており、両端のアルケニルカルボン酸、2つのメチル基が置換した6,6-スピロアセタール構造すなわち1.7-dioxaspiro[5,5]undecane骨格からなり、我々によって研究が進められているポリケチド系蛋白合成阻害剤リベロマイシンA(3)と類似した構造を持つ高度に酸素官能基化された極めてユニークな化合物である.本年度は3の研究で得た知見を主成分1に有効に応用し、その全合成研究を行ないかつ構造決定を行うこととした。まず、1の基本骨格6,6-スピロアセタールの合成セグメントとしてアルキンおよびワインレブアミドを選択し、かつそれらを共通の中間体4より大量に合成することに成功した。すなわち、p-methoxybennzyl alcoholよりSharplessの不斉エポキシ化反応および辻等のアルケニルオキシランのPd触媒下での蟻酸還元を鍵反応として9行程で4を収率良く合成できた。また、4より5行程でアルキンを、3行程でワインレブアミドを合成した後、それらを塩基で処理するとカップリング成績体5が収率良く生成した。さらに、5の酸処理によりテトラヒドロピラン誘導体とした後、エポキサイドとプロピンの反応を経て基本骨格6,6-スピロアセタールの合成に成功した、現在、アルキン部への側鎖の導入を検討している。
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