2006 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド性医薬品の特殊放出制御を可能とするミクロ・ナノゲル粒子の構造設計
Project/Area Number |
16590038
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
市川 秀喜 神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (00248105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福森 義信 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (60102927)
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Keywords | マイクロカプセル / 放出制御 / ペプチド / 高分子ハイドロゲル / コーティング / ナノパーティクル / 刺激応答性高分子 / ヒドロキシプロピルセルロース |
Research Abstract |
ペプチド性医薬品の効率的な生体内送達を実現すべく,申請者らが独自に開発した気中懸濁被覆法によるマイクロカプセル(MC)化技術・ハイドロゲルのナノサイズ化技術により,以下の素材および製剤化検討を実施した。 1.刺激応答性放出制御型MC: 放出の温度応答性の鋭敏化を図るべく,温度応答性成分として用いてきた従前の架橋タイプのpoly(N-isopropylacrylamide)ナノ粒子よりもさらに鋭敏な温度依存性相転移を示す直鎖状のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の効果を検討した。HPCを被膜に組み込んだモデル水溶性薬物含有MCは,HPCの下限臨界共溶温度(LCST,40℃付近)±10℃の範囲で低温側では放出抑制,高温側では放出生起される正の温度応答性薬物放出を示した。特に,従前の架橋タイプのナノ粒子を組み込んだMCでは困難であった低温側での明確な放出抑止が初めて可能となり,LCST±5℃の狭い温度範囲でさえ8-15倍の放出速度差を維持できることが分った。 2.体温・pH感知型放出制御MC: 本MCの要素材料である温度応答性コア-pH応答性シェル構造を持つナノゲル(CSNP)への薬物の大量封入法について検討した。凍結乾燥時のCSNPs分散液の希釈により綿状の疎で微細なCSNPs乾燥物を生成させて,高濃度のVCH溶液を吸収させる方法(吸収法)を新たに考案した。その結果,本法での薬物含量は20.3±8.3%を示し,従前の平衡分配法(VCH含量は2.1±0.1%)に比べて約10倍高い値となった。これは高濃度のVCH溶液の吸収能力に優れていたことや、洗浄操作を室温で行うことによりコア部の収縮によるVCH溶液の吐き出しが抑制されたことなどが主たる原因と考えられた。また,VCH封入後の再凍結乾燥時の分散助剤poloxmerの添加は,CSNPs粉末の水中での良好な再分散性を得るのに有用であった。
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Research Products
(7 results)