2005 Fiscal Year Annual Research Report
EGFシグナル遮断薬の感受性を決定するSprouty-2転写物の意義
Project/Area Number |
16590052
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
尾崎 惠一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50252466)
|
Keywords | EGF receptor / Sprouty / ERK / Gefitinib / lung cancer / Akt / MAP kinase / PI3-kinase |
Research Abstract |
16年度研究実績において報告したように、本研究においてEGFシグナル遮断薬のひとつであるイレッサの感受性因子として、EGF受容体の活性型変異の有無に加えて、ERK経路のnegative feedback inhibitorであるSprouty2の転写物(S-Spry2)の関与を新たに見出した。一方、このようなイレッサ感受性因子の診断によっても予想できないイレッサ抵抗性が見出され、EGF受容体以降の重要な二つのシグナル経路である、ERK-MAPキナーゼ(増殖シグナル)とPI3キナーゼ/Akt経路(生存シグナル)に注目し、それぞれの経路遮断剤と新規及び既存の抗癌剤とを併用した新しい癌化学療法の開発をめざして次のような検討を行った。(17年度) 1、ERK経路の選択的遮断剤であるMEK阻害剤と新規分子標的薬であるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との併用療法により、本経路の恒常的活性化を示す癌細胞に対して極めて効率の良い細胞死を誘導できることを見出した。また、本併用療法はイレッサ感受性によらず有効であった。 2、PI3K/Akt経路の選択的遮断剤とドキソルビシンを併用することで、本経路の活性化を伴い、野生型p53をもつ癌細胞に対して極めて効率の良い細胞死を誘導できることを明らかにした。 以上のような画期的併用療法は、EGF受容体の活性化を伴う癌細胞に対して、イレッサとともに新しい癌分子標的治療法としての可能性を提示していると考えられた。
|
Research Products
(3 results)